ギリシャ沈没船の「お宝」に考古学界が騒然 世界最古のコンピュータ埋没の可能性も
「これが重大な発見であるとすぐにわかった」とソティリオウは言う。彼らは礫岩の下から、重く、肩から中指まで伸びた緑がかったその腕を引き揚げた。
「指が数本欠けているが、それでも見事な遺物だ。腕の美しさが見て取れる」とソティリオウは言う。「筋肉、腱、指が見える。素肌に表れるディテールがすべて表現されている」。
発見された腕は銅像の一部とみられ、研究者らは銅像の残りの部分はバラバラに流されることなく、海底に埋まっていると考えている。
「最古のコンピュータ」の部品か
最近の探査でチームはさらに、4つのつまみが付いた小さな銅の円盤も発見した。それぞれのつまみには穴が開いていて、何かのカバーとして使われていたとみられる。銅像の腕と同じように腐食していた。
プロジェクトを率いるスウェーデンのルンド大学の考古学者ブレンダン・フォーリーは、これを発見したときはにわかにその幸運を信じることができなかった。彼はそのとき、アンティキティラの機械の部品の1つかもしれないと思った。干し草の山の中から見つかった1本の針のようなものかもしれない──。
それでも、そんなはずがないとすぐにチームのメンバーと笑い合った。「しかし、そうと信じられるように見える」。
円盤をアテネの研究室に送り、X線で撮影したところ、腐敗して緑と黒になった表面の下に牛の模様があることがわかった。この遺物の正体を突き止めるために、今後さらなる調査が行われる予定だ。プロジェクトチームはそれがアンティキティラの機械の部品である可能性は排除していないものの、船の装飾品や花瓶の可能性もあるという。