マンガ家を目指したら、社長になっていた
私のスタートアップへの道は、目の前にある気になることに、全部手をつけてみたことから始まりました。
実は、私がウォンテッドリーを始めたきっかけは、「マンガ家になるために、会社を辞めた」ことです。私は、子どもの頃からずっと、マンガが大好きでした。ですが、中学生からマンガを書き始めたものの、真剣にチャレンジすることのないまま大学生になり、就職活動の時期を迎えました。
「マンガ家になりたい、でも、これまで何もしてこなかった私がそんなことを言ったら、みんなに笑われるんじゃないか……」
そんな思いにとらわれて、チャレンジすることなく、就職をしてしまったのです。
でも、就職してからも、やっぱりマンガがやりたいと思う気持ちが抑えきれず、もんもんと悩み続けました。ゴールドマン・サックスで働き始めて2年目の夏。ついに会社を辞めて、就職していた東京を離れ、母の単身赴任先である北海道にこもってマンガを描き始めました。
そうはいっても、もちろん「会社を辞める」「マンガ家に挑戦する」というのは、自分の人生の中でも、ものすごく大きい出来事でした。
それまでの私は、「人の目を気にして」、どんな仕事をするか決めていました。
たとえば就職活動のときもそうでした。
大学の友人は、次々に一流企業の内定をもらっていきました。
そんな中で、人から“すごい”と思われるような会社に就職したい、という思いがわたしの心を大きく支配していました。
そんな気持ちで就活をしましたから、「絶対にここで働きたい」と思える会社に巡り会うこともありませんでした。
それどころか、本当は、小学生の頃から夢だった、「マンガ家になりたい」という気持ちを捨てきれないようになっていきました。
でも、それまで特にマンガについて学んできたわけでもない私が、「これからマンガ家を目指す」なんて言ったら、友人にびっくりされるんじゃないか、それどころかバカにされるんじゃないか……、そう思うと決心がつかず、自分の本当の気持ちにふたをしながら就職活動をしていました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら