ボルボ「V40」がドイツ車と渡り合える理由 発売4年経過でも息の長い人気が続く
世代的には古いものの、高張力鋼/超高張力鋼/極超高張力鋼/ウルトラ高張力鋼やアルミ、プラスチックの的確な使用はもちろん、レーザー溶接や構造用接着剤の採用など、今では当たり前のアイテムを早いタイミングで採用した。
ライバルと比べると車両重量は若干重めだが、それを差し引いても安全性能はもちろん、走る/曲がる/止まるといった基本性能の部分は最新のライバルと比較しても遜色ない。当時は“過剰設計”と言われていたが、時代が追いついたのである。
それに加えて、前後左右をカバーする11種類以上の最新の先進安全装備を全車標準装備。その中でも歩行者・サイクリスト検知機能付き衝突回避・軽減フルオートブレーキシステムはミリ波レーダー/デジタルカメラ/赤外線レーザーと3つのセンサーを用いたタイプで、スバルやメルセデスと並んで“性能の高い”プリクラッシュブレーキと言われている。
また、世界初採用された歩行者用エアバッグは当初オプション扱いだったが装着率98%を誇り、実は2016年にスバル「インプレッサ」に先駆けて全車標準装備化されているのだ。そう。安全性に関しても小さいから、世代が古いから、といった妥協は一切ない。
「進化・熟成」を続けている
3つ目の理由はモデルチェンジにこだわらずに「進化・熟成」を続けていることだ。パワートレインはデビュー当初とは異なり、ボルボの新世代パワートレイン「Drive-E」へと移行済み。ガソリンは1.5Lターボ(T2:122ps/220Nm、T3:152ps/250Nm)と2.0Lターボ(T5:245ps/350Nm)、ディーゼルは2.0Lターボ(D4:190ps/400Nm)をラインアップ。トランスミッションは1.5Lターボには6速AT、2.0Lターボ(ガソリン/ディーゼル)には8速ATが組み合わされる。
特にディーゼルは上級モデルにも採用されるユニットなので、V40との組み合わせはある意味オーバースペックで、下手なホットハッチ顔負けのパフォーマンスを見せる。
シャシーは発売当初はスポーティな味付けの「ダイナミックシャシー」が採用されていたが、モデル途中で快適性を高めた「ツーリングシャシー」へと変更。2016年の大幅改良時には正式なアナウンスはなかったが、実際に乗り比べてみるとサスペンションのしなやかな動きやフラットライドなど、確実に“深化”している。
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