ボルボ「V40」がドイツ車と渡り合える理由 発売4年経過でも息の長い人気が続く
まずは、内外装や走りなど従来のボルボから見るとかなりスポーティながら、それを前面にアピールせず「小さな高級車」に徹していることだろう。それも見せかけだけの豪華さではなく、本質の部分に徹底的にこだわっている。
北欧デザインのシンプルさ、素材のよさを生かしている
ドイツ車との違いを明確に出すために、ボディカラーは白/黒/シルバーの比率を下げ、内装色も北欧デザインのシンプルさ、素材のよさを生かしたシンプルな高級感をアピールできるようなコーディネートを採用している。ただ、スイッチが多い操作系(慣れると非常に使いやすいのだが……)や7インチのディスプレーなどは、最新のライバルと比べると時代を感じさせる部分はある。
居住空間は大人5人が座れるものの優先度が高いのはフロント。シートはスウェーデンの外科医がアドバイザーとして参加している逸品で、シートサイズの大きさはもちろん、長時間乗っても疲れにくいのは上級モデルと一切変わらない。余談だが、ある日本のトップレーサーが事前情報なしにボルボに乗って驚いたのは「シートのよさ」だったそうだ。
一般的にCセグメントハッチバックは「付加価値=スポーティ」が多いが、V40もラインアップ(Rデザイン)はするものの基本的にはそこをメインストリームとして狙っていない。そこが「小さくてもいいものが欲しい」「ドイツ御三家じゃちょっと……」という層にハマっているのだと思っている。
この辺りをボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長に聞くと、「日本では『ボルボ=安全』に対して『ボルボ=プレミアム』がシッカリと伝わっていなかった反省もあります。以前のような中途半端な位置づけでは淘汰されてしまうので、私が社長になってからはV40のマーケティングや商品バリエーション、売り方などをすべて見直しました」と語る。
2つ目の理由は「安全」の部分だ。V40のプラットフォームは旧「C30/S40/V50」やフォード・フォーカス、マツダ「アクセラ」とも血縁関係のあるフォードC1プラットフォームを採用するが、アッパーボディは全面新設計である。
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