10月27日の取締役会には、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長やアリババのジャック・マー会長ら社外取締役も出席。「スプリントの経営権を手放してまでTモバイルと合併すべきではない。それが正しいものの考え方というものだ」と強弁する意見が社外取締役から出たという。
同日夜の電話では、「株の売却金額など細かい条件面ではなく、経営権という(合併の)根幹に関わることだから、『(今回の交渉は)なしにしようよ』と、ティム(・ヘッドゲスCEO)に伝えた」と孫社長は明かした。
何しろ、2013年にスプリントを買収したのは、Tモバイルとの合併ありきだった。米国の通信業界は2強2弱の構図であり、全米首位のベライゾンと2位のAT&Tが圧倒的シェアを持つ。当時業界3位で経営不振に陥っていたスプリントと当時4位のTモバイルが合併することで大手3社の寡占体制を作るというのが、孫社長の描いた青写真だった。
トランプ米大統領に頼った孫社長
だが、通信の規制当局である米国連邦通信委員会(FCC)が首を縦に振らず、合併構想は実らなかった。そこで孫社長はスプリント単独での再建に本腰を入れた。同氏の陣頭指揮で、大幅なコスト削減やネットワーク構築の細かい工夫を行った結果、スプリントは営業黒字化を果たす。ただこの間、Tモバイルにシェアで抜かれ、米国内で4位に転落した。
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