「隠し事」ができない時代に勝てる会社の武器

どうしたらブランド力をつけられるか

ウィンストン:私がコンサルティングをする中でも、やはりグローバル企業はサステナビリティに積極的です。彼らは死活問題だと気づいているんですね。一方で積極的になりきれていない企業が頭を悩ませているのは、消費者は本当にサステナブルな商品を求めているのか、本当にそれにおカネを払うのかということです。

髙尾:その質問に答えるとすれば、そもそもサステナブルどうこうというより、商売の大原則として消費者の心をつかまえた者勝ちという話ですよね。そして消費者は、商品そのものというより、商品で得られる体験を求めている。

モノ消費からコト消費に関心が移る時代にあって、消費者は商品そのものというより、商品で得られる体験を求めている(撮影:今井康一)

サステナブルな商品はかっこよくない?

ウィンストン:そう、それは今も昔も変わらないんです。問題はこれまでのいわゆるサステナブルな製品というのが、既存の製品と同じレベルで満足度の高い体験を提供できていなかったことでしょう。

アメリカでテスラの電気自動車が成功したのは、環境によいからというより、ほかの車よりかっこよくて、機能もよくて、速いからです。好きにならないはずがない。

髙尾:僕らもリサイクルしたものを売るにしても、古着を回収するにしても、そのあたりはいつも考えています。

ウィンストン:(前回で話した)デロリアンの企画は、まさにそういう視点ですよね。人々が現状目に見えてサステナブルな行動をしていないのは、環境についてまったく気にしていないからというわけではないということです。みんな日々の仕事もあって、家庭や趣味もある。単純に自分の人生を生きるのに忙しいから、日常と切り離された形で「リサイクルしましょう」と言われても手が回らないのです。

髙尾:そのとおりだと思います。これからは消費者の選択以前のところ、そもそもの構造を変えたいとも考えているんです。既存の化学プラントの横に僕らの工場を造って、そこでゴミからエチレンやポリエステルのもとになるものを造る。化学プラントではそれを使って商品を造る。消費者は知らぬ間にサステナブルな商品を買っていることになる……。今一緒にやってくれる企業を探しているし、そういう企業が僕らを見つけ出してくれるといいなと思っているところです。

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