H&M、最新高級ドレスで使われる意外な原料 値段は通常商品の2倍以上だが販売好調
「海岸に投棄された89本のペットボトルからでき上がったのが、あのピンクのドレスです。このスパンコールのトップスもリサイクルポリエステルを使い、ソフトな触り心地を重視しました」。初来日した、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)のヘレナ・ヘルメルソン氏は笑顔でそう話す。
H&Mはスウェーデン発のファッションブランド。主力店舗の「H&M」では最先端のトレンドを盛り込んだ衣料品を低価格で販売している。アパレル企業としては、「ZARA」を展開するインディテックス(スペイン)に次ぐ世界2位の規模を誇る。
ヘルメルソン氏はグループ全体の調達・購入を担当するプロダクション責任者として、安定して商品を供給できるよう、サプライチェーンを最適化する役目を担っている。今回、本社から来日したのは、同社が力を入れているコレクションライン「Conscious Exclusive(コンシャス・エクスクルーシヴ)」のPRのためだ。
新素材を毎年独自に開発
同コレクションは2011年から展開しており、環境に配慮した素材を使用することをコンセプトとしている。7年目を迎えた今年はレディスとメンズに加え、キッズ商品を新たに導入。展開店舗も世界約160店に拡大した。日本では4月20日に渋谷店と新宿店でレディスとキッズ商品が販売されている(メンズ商品はオンラインストアで販売)。
コンシャス・エクスクルーシヴでは毎年1つ、環境に配慮した新しい素材を開発している。今年は海に投棄されたペットボトルなどプラスチック製品を集めて、リサイクルポリエステルとして再生した「バイオニック(R)」を独自開発した。先述のドレスもバイオニックで作られている。
「H&M」といえば低価格のファッションという印象が強い。ブラウスは1000円台が中心、パーティ用ドレスでも1万円を超える商品はほとんどない。だが、同コレクションのブラウスは7999円(税込み)、ドレスは2万5999円(同)……。メインの展開商品が“ハレ”のイベントなど特別な日に着用する洋服という点はあるが、通常商品の倍以上の価格がついている。
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