日本に「超一流アパレルブランド」がない理由

コスト削減の果てに「日本製の服」は僅か3%

日本におけるアパレルの国産比率は、2015年に3%を切りました。確かな技術を持つ国内の工場を復活させることは可能なのでしょうか(写真はファクトリエが提携するオーダースーツの工場、NASU夢工房)(写真:ファクトリエ提供)

「日本には本物のブランドがないよな」

14年前、パリのグッチ・パリロワイヤル店で同僚から投げかけられた言葉を、今でも鮮明に覚えています。当時、私は大学生。ブランド店が立ち並ぶサントノレ通りの店舗が、留学生である私の勤務先でした。私は日本の有名ブランドをいくつか言い返しましたが、彼は顔色を変えずにこう言いました。

「本物のブランドはものづくりからしか生まれない。エルメスも、ルイ・ヴィトンも、グッチも工房から生まれた。君が今挙げたブランドは、日本製なのか?」

日本ブランドは「どこで作るか」を重視してこなかった

ぐうの音も出ませんでした。私が言い返したブランドは、すべて中国製。大学のブランディングやマーケティングの授業では「顧客とどうコミュニケーションするか」が重要であると教えられており、「どこで作られるのか」というポイントには重きを置かれていませんでした。その考え方は、ものづくりからブランドが生まれてきたヨーロッパでは通用しません。

筆者がパリのグッチで働いていた頃、同僚から「日本には本物のブランドがない」と指摘された(写真:ファクトリエ提供)

「日本のものづくりから世界一流ブランドを作る」。そのとき私は、とっさに彼に宣言していました。創業100年の老舗洋服店の子で、店の手伝いを通して日本のものづくりのすばらしさを潜在的に感じていたのでしょう。日本のものづくりは、必ず海外に通用する。その確信といくばくかの対抗心が、心の叫びを呼び起こしたのだと思います。

メイド・イン・ジャパンの工場直結ファッションブランド「ファクトリエ」を立ち上げたとき、パリでの宣言から実に9年の歳月が流れていました。社会人になってからは、アパレルとは別業種の仕事に携わったこともありますが、彼とのやり取りを忘れたことはありません。14年前の出来事で、私の運命は決まっていたのです。

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