H&M、最新高級ドレスで使われる意外な原料 値段は通常商品の2倍以上だが販売好調

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安さに特徴がある店舗で高価格衣料を販売して、はたして売れるものなのか。疑問に思うところだが、販売は順調。欧米ではむしろ売れ筋商品になっているという。欧米では、自分の着ている服が、どんな素材で作られているのか、生産過程への関心が高まっている。消費者はただ安い商品を求めているわけではなく、環境に配慮した素材を用いていることが購買動機につながることも多いという。

日本での反応も上々だ。ドレスをはじめ、店頭に並んだコンシャス・エクスクルーシヴの多くがほぼ完売状態となっている。「日本人のリサイクルに対する意識は世界と比較しても高い」(H&M)。2015年から始めた「CLOSE THE LOOP」という古着の回収活動での回収量は世界トップレベル。同コレクションの潜在ニーズは大きいと見ている。

「H&M」店舗にコンシャス・エクスクルーシヴを導入する理由は、生産量を多くできる点にある。

将来は低価格商品にも活用

ヘレナ・ヘルメルソン氏(記者撮影)

新素材の開発には多大な時間とコストがかかる。ただ世界に4000店を超える店舗を構えるH&Mの販売力を生かせば、生産数量を増やして、将来的にコストを抑えられる。ゆくゆくは低価格帯にも活用することも可能だ。

H&Mはこれまでも化学薬剤を使わないオーガニックコットンなど、環境に配慮した原材料を使った商品に力を入れてきた。そして今、一歩踏み込み、ペットボトルなどを再利用した素材の開発を推進している。

「長期的にビジネスを続けていくためにも、循環型のモデルを作ることが重要」とヘルメルソン氏。2015年時点でコンシャス・エクスクルーシヴなど環境に配慮した商品は全体の20%ほど。将来的に100%に持っていく方針だ。ここまで高い数値目標を掲げるアパレル企業はまだないが、同コレクションの好調が、達成に向けたカギになりそうだ。

菊地 悠人 東洋経済 記者

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きくち ゆうと / Yuto Kikuchi

早稲田大学卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者を経て2017年10月から東洋経済オンライン編集部。2020年7月よりIT・ゲーム業界の担当記者に。

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