「隠し事」ができない時代に勝てる会社の武器 どうしたらブランド力をつけられるか

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ウィンストン:それは一緒にする企業にとってもいい話なはずですよ。使用するエネルギーや原料を少しずつ減らすよりも、そもそも再生エネルギーやリサイクル原料を選択することによって得られるチャンスはずっと大きいですから。

企業はどうしても手をつけやすいことから手をつけがちなのですが、それが効率的ではないことに気づくことが重要なのです。いちばん大きな問題を見極めて大転換すること、ビッグ・ピボットが必要ということですね。

ビッグ・ピボットの実践方法についてはぜひ私の本を読んでみていただきたいのですが(笑)、重要な第一歩を挙げるとしたら、しっかりと科学的根拠に基づくデータを見ることです。自社の商品やサービスを提供するうえで、バリューチェーンのどこにチャンスやリスクがあるのか。自社のビジネスに最も大きな影響を与える要素は何か――それを見極めることです。

髙尾:先ほどのポリエステルの話でいえば、今どれくらい使用していて、今後の価格変動の見込みはどうなっているのか。そういうデータを見て、調達を考えるというようなことですね。

これからの顧客はどんなストーリーを求めるのか

『ビッグ・ピボット―なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ウィンストン:そう、あとは異常気象の影響について考えることも重要です。私の故郷フロリダも、つい先日ハリケーン・ハービーで大きな被害に遭いました。地球上のあらゆるところで異常気象が起こっているのは、ニュースで報道されているとおり周知の事実です。

にもかかわらず自社には関係ないと思っていて、工場や物流センターが洪水に遭ってはじめて、サステナビリティを考慮しないビジネスで異常気象を助長することが、自社のビジネスにとっての直接的なリスクになることに気づく企業も多いのが現状です。そのうえで先ほどの商品のストーリーの話ですね。これからの顧客はどんなストーリーを求めるのかを考える。

髙尾:ストーリーといえば、今度また日本にいらっしゃるときは、着なくなった洋服を持ってぜひうちの工場にいらしてください。それをそのまま1着新しい服にしてお渡しします。

ウィンストン:それはいいストーリーだ。あとはデロリアンにも乗りたいですね。

アンドリュー・ウィンストン ウィンストン・エコ・ストラテジー創設者

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Andrew Winston

キンバリー・クラーク、HP、ユニリーバなどのサステナビリティ・アドバイザリー・ボードのメンバーを務めているほか、PwCのサステナビリティ・アドバイザーとしても活躍している。プリンストン大学卒業後、コロンビア大学でMBA、イェール大学で環境マネジメントの修士を取得。ボストン・コンサルティング・グループで企業戦略コンサルティングに従事した後、タイム・ワーナーとMTVでの戦略マーケティング部門の管理職を経て、ウィンストン・エコ・ストラテジーズを設立。ハーバード・ビジネス・レビュー・オンライン、ガーディアン、ハフィントンポストにも定期的に寄稿している。

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