サッカー界からの助っ人はバスケを変えるか

チェアマンらが語る「本音と展望」

大河:僕はもともと、1995年から97年までの2年間、銀行からJリーグに出向していた。そのときに初代B.LEAGUEチェアマンの川淵三郎さんと出会ったんです。その後、分裂状態にある日本のバスケ界が国際バスケットボール連盟から国際試合への出場禁止という制裁を受けました。この状況を打開するために、改革のためのタスクフォースが立ち上げられ、そのチェアマンに就任したのが川淵さんだった。

当時、川淵さんは複雑化した問題を解きほぐすために相当苦労されていてね。そのうちに川淵さんをサポートする人間が必要だという話になり、そこでバスケをやっていた私に「手伝ってほしい」という話が来たんです。

とはいっても、Jリーグの仕事をやりながら同時にバスケットの仕事をするのは難しい。そこで思い切って、バスケットボール界に転身した。お世話になった川淵さんから「手伝わないか?」って言われるのも光栄な話だしね。

島田:私は25歳のときに起業して以来、いくつかの会社を経営してきました。それで、私の会社にずっと出資してくれていた人がジェッツの会長だったんです。会長は無類のバスケ好きで、若い人たちに出資してジェッツを作ったんですけど、クラブ経営がうまくいかなくて困ってました。

ちょうどそのとき、経営していた旅行会社を売却したばかりだったので、時間の余裕があったんです。そこで会長から「運営がうまくいかないから、手伝ってあげてほしい」と頼まれて、「手伝うだけならいいですよ」と答えた。だから、私は「ジェッツのお手伝いさん」から始めたんです。

「手伝うだけならいいですよ」と答えたところ…(写真:矢木隆一)

社長をやるのか、それともジェッツを潰すか

大河:まあ、何かの縁があったんでしょうね。

島田:そうですね。それで、当時の社長をサポートするためにコンサルティングをすることになります。まずは再建計画を作って、それを社長に手渡し、その計画の実行を私が下支えするという構図でした。

最初は、週に1~2回ほど会社に来てという感じだったんですけど、手を突っ込んでいくうちにそれでは足りなくなってきた。やはり組織を徹底的に改革しようとすると、腰掛けではどうにもならない。週2日が3日に、週3日が4日になり、気がついたら週5日会社に出社して仕事をするようになるという……。 

そのうちに、経験のある私が社長になったほうがいいという意見が株主たちから出てきたんです。とはいえ、こちらはバスケとはまったく無縁の人間ですし、しばらくは悠々自適でいたかったので固辞していました。

次ページ株主たちが「潰す」という話をしていなかったら…
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