”本物になる”には30年かかる 名古屋で活動する男女デュオ「ETT」

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西本:私はカラオケ大好きな家族で育って、そのまま「楽しい~」と歌ってきただけです。(見た目を飾ったりするような)演出はできません。おカネのためだけに歌うのは音楽の本質を失ってしまう気がして嫌です。急いだり、無理をしたりするとうまくいかないと思います。丁寧に一歩ずつやっていれば、必要なときに必要な人に会えるので。青柳さんとは以前から知り合いでした。でも、ソロギタリストとして有名な方だったのでまさか一緒にやってもらえるとは思っていませんでした。おそれ多くて……。

おカネは短期のアルバイトで稼いできました。2カ月働いておカネを貯めてライブに出かけるという生活です。でも、毎回、新しくアルバイトの面接を受けるのがしんどかった。今は理解のある会社に出合えて、事務の仕事と音楽活動を両立できています。

ロボットみたいに画一化されていいいのか?

――CDや全国各地でのライブはすばらしい内容です。デュオを結成してから丸10年続いているのもすごいと思います。

西本:人に時間も場所もとっていただいて聴いてもらう以上は、それに値する音楽をできる限りやりたい。できなかったときは自分にいちばん腹が立ちます。ライブは人の縁で続いています。ラジオでがんがん宣伝したりはしていません。

青柳:僕たちの音楽が売れればうれしいですよ。今でも地方ごとにリピーターのお客さんがいる。でも、欲をかいた時点でダメになると日々感じています。たとえば、小ぎれいな写真を撮ってもらって清廉潔白なアコースティックデュオとして売り出すようなことはできない。実際にはそういう人間ではないので。その代わり、音のほうは最大限に努力してお届けしています。

仕事なんだから(演出なども)ちゃんとやれ、と言われるかもしれないけれど、それはこの時代の暫定的な仕事基準にすぎないと思います。人間本来としては全員がひとつの型にはまっている必要はないのだから。ロボットみたいに画一化された接客をするコンビニの店員を見て、人としてこれで本当にいいのか?と思いませんか。

名古屋郊外でのライブ風景。鳴り物を多用する西本さんのパフォーマンスも楽しい
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