1日1億円を売った実演販売士の傾向と対策 達人の口上は確固たる理論で成り立っている

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――どうやって、「一緒に応援した」のでしょう。

松下氏:イニングの合間に、観客に向かって「ぼくはコーヒーを売っていますが、なかなか売れません。ぼくも大好きなベイスターズを皆さんと一生懸命応援するので、次に点を取ったらぼくから買ってください」と言うわけです。で、買ってくれた人におまけとして一緒に配ったのが、自分で作った、選手たちの応援歌の歌詞カードでした。

自ら売りにいくにはどうすればいいかを考えた

ネットで簡単に検索でき、スマホですぐに見ることのできる今とは違い、その自作の歌詞カードは観客の間で重宝され、結果コーヒーも飛ぶように売れました。「俺はベイスターズが大好きだ」と叫んだり、たまに巨人側で同じようなことをやったり……(笑)。この時が、モノを売ることで自己の存在感を満たすことのできた最初の出来事だったと思います。そしてこの経験が、後に立たされる窮地からぼくを救ってくれることにもなったんです。

崖っぷちで叩いた「実演販売」の門

――「傾向と対策」で自らの道を拓いていきます。

松下氏:大学入試もまさに「傾向と対策」で、赤本から自分の学習スタイルに合う形で、合格できるところを絞って勉強していました。結果的に、第一志望よりも偏差値の高い大学に進むことができたのですが、そうしてうまくいっていたのも、この大学受験まででした。

新たな希望を抱えて進学したものの、大学の4年間は「とにかく何かをやりたいけど、その何かがわからない」と、エネルギーを持て余しているうだつの上がらない学生だったんです。ただ、スタジアムの売り子仕事での成功体験から「思ったことはなんでもやってみよう」と思っていたので、コピーライターの養成講座に通ったり、サッカー雑誌の編集プロダクションでアルバイトをしたりと、それなりに未来に繋がるであろう行動はしていたつもりでした。

ただ、そうした行動とは裏腹に、この時ばかりは、いくら傾向と対策を練っても将来の扉はまったく開いてくれなかったんです。就職活動では、憧れていたテレビの世界で働くため、あらゆる制作会社を受けたのですが、結果はすべてダメ。不採用通知を受け取るたびに、「人気者で面白かったはずの自分」の自信が崩れていきましたね。

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