米国でささやかれる安倍退陣後の「次の首相」 何にもない日本の選挙への関心は低いが…

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日本が今、米政府の「政策レーダー」にあるのは、選挙があるからではなく、近く行われるトランプ大統領のアジア歴訪が、日本から始まるためである。トランプ大統領が毎日のように米国の過去の取り組みに対して批判を続ける中で、同大統領がアジアで(特に米国の同盟国に対して)やってしまいかねないことに対して、不安感が膨らんでいるのである。

「アジア担当の政策立案者たちは、選挙を意識はしている」と、ジョージ・W・ブッシュ大統領の国家安全保障アドバイザーを務めたジョージタウン大学教授のマイケル・グリーン氏は言う。現政権も同氏にアドバイスを募っている。「ただ、その関心は、トランプ大統領のアジア訪問がどうなるのかに対する不安によって薄まっている」。

小池都知事のピークはすでに過ぎた

米国議会の見解も変わらない。「日米関係を緻密に追っている少数の議員やスタッフは例外として、米議会ではほぼ関心を持たれていない」と、日本の問題に詳しいあるベテラン職員は言う。「これだけ関心がない理由の1つは、米国の政治の現状とも関係がある」。実際、米議会にとっては、オバマケアに関する議論や、税制改革、ロシア疑惑に関する調査、そしてトランプ大統領の果てしないツイートのほうが、喫緊の課題だ。

「この頃シンクタンク職員や外交政策専門家がやっていることのすべては、トランプの直近の政策や発言を解釈、予想しようと試みることになっている」と、政権に関係のあるベテランのアジア通も認める。

総選挙が決まった直後、小池都知事が希望の党を結成するという驚くべき動きを見せ、この選挙が安倍首相と自民党が計算したよりも接戦になるかと思われたときには、総選挙への関心度が一瞬高まった。が、事態はすぐに変化した。

「安倍首相は生き残るだろう。小池(都知事)はすでにピークを過ぎ、メディアは彼女を非難しつつある、という印象が増大している」グリーンは語る。「もちろん、米政府内の誰も、彼らが誰を好むのかについて公には言うわけもない」

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