高齢化はデフレではなく、インフレを招く 人口構造の変化で消費は増えて貯蓄が減る

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現状では、膨張する社会保障給付に負担の引き上げが追い付かず、社会保障給付費と社会保険料収入のギャップは大幅に拡大している(右図)。

社会保障給付費と保険料収入の差は、国・地方の財政支出や運用利益、積立金の取り崩しで賄われる。

膨張する社会保障費を賄うために、年金や医療の保険料の引き上げという形で現役世代の負担増を求めることには大きな抵抗がある。このため、収支のギャップを賄うために国や地方自治体の財政支出を拡大することで賄っているが、それが国の財政赤字の拡大の大きな原因になっている。

国の財政は大幅な赤字が続いており、政府債務も累積している。負担を抑えながら財政赤字を縮小するためには歳出の削減が必要だが、この際、必ずと言ってよいほど、真っ先に「無駄な公共事業を削れ」という声が出てくる。確かに、ほとんどクルマが走っていないような道路など、無駄としか思えない公共事業はなくならない。

しかし、国の一般会計を支出項目別にみれば、2013年度の予算では公共事業関係費の割合は7.5%にすぎず、現在、最も大きな支出項目は41.4%を占める社会保障関係費だ。公共事業の無駄はなくなったわけではないが、問題の相対的な重要性は昔ほどではなくなっている。国の財政赤字の最も大きな原因は社会保障関係費の膨張だ。

財政赤字を抑制するために大幅な増税を行おうとしても、負担増に対する抵抗が大きいうえに増税による景気の悪化という問題があるために、なかなか実行できないというのが現状だ。さらに、厚生年金や国民年金などの公的年金制度では、高齢化による年金支給額の増加で現役世代の負担が著しく高まるのを緩和するために、積立金の取り崩しが予定されている。

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