高齢化はデフレではなく、インフレを招く 人口構造の変化で消費は増えて貯蓄が減る

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日本の家計貯蓄率をSNAベースで見ると1980年代初めには20%近くあったが、近年は2%程度に低下している。80年代には、米国家計は貯蓄率が低く過剰消費が指摘された一方、日本は家計貯蓄率が高いことが国内の需要不足の原因とされた。しかし、近年は米国の貯蓄率のほうが日本よりも高くなっている(右図)。

企業の設備投資など消費以外の需要が変わらなければ、家計貯蓄率の低下は需要の拡大を意味する。一方、高齢化によって労働力人口が減少することは供給力の低下を引き起こす。もちろん技術進歩があり、労働者1人当たりの生産が増えるので、労働力人口が減少しても、日本経済全体が縮小することは必然ではない。だから人口1人当たりの所得や生活レベルが必ず低下するというわけではない。

しかし、高齢化が国内消費に与える影響だけを取り出せば、日本経済の需給を逼迫させる働きがあるのだから、高齢化の進展は物価上昇を加速させる方向に働くと考えられる。

社会保障費の膨張による現役世代の負担増

第2の理由は、高齢化によって社会保障制度の収支が悪化しており、これを改善することが困難だということだ。8月初めに、社会保障制度改革国民会議が制度改革についての報告書をとりまとめたが、日本の社会保障制度の収支を安定化させる抜本的な改革には程遠いという批判がある。

高齢化が進めば、年金の受給者が増え、高齢で病気になる人も増えてしまう。同じ給付条件であっても、年々年金の給付額や医療費が拡大してしまうので、これを賄うには現役世代の負担を引き上げていかなくてはならない。

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