38歳、大阪で「魔女を名乗る男」の非凡な人生 ライブハウスなど運営する実業家の商才

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その、ほぼ同時期に「紫蛍(むらさきほたる)」というカレーショップを作ったのだが、B・カシワギさんにとって初めて閉店したお店になった。

「知り合いの男性同士のゲイカップルにお店を任せていたのですが、2人の仲が悪くなってしまったので1年半くらいで閉店してしまいました。おいしいと評判だったのに残念でしたね」

この閉店の経験が、後ほど魔女のお店開店に少しかかわることになる。ともかく1店舗は失敗したものの、快進撃は続き、「なんば紅鶴」の横に「なんば赤狼(せきろう)」というレストランを始めた。そもそもは紅鶴でフードを出したかったのだが、キッチンスペースがほとんどなかったため、だったらレストランを作ってしまおうという発想だった。

「B・カシワギは味園ゲイツだ!!」なんて冷やかされることも(筆者撮影)

よく一緒に食事をしていた女性が、将来的に飲食店をやりたいと言っていたのを思い出し、彼女にお店を任せることにした。話し合った結果、珍しいお肉が食べられるジビエ系のお店にすることにした。カンガルー、ワニ、熊などさまざまなメニューがあるが、どの料理も“おいしい”ありきで作っている。まずいゲテモノ料理にはしないように心掛けた。

「赤狼は初めから黒字でしたね。他店舗の常連さんが一度は顔を出してくれましたし、イベントが終わった後に演者さんが打ち上げをすることもあります。相乗効果が出た感じですね」

この頃になると、B・カシワギさんは、周りの人からも成功者扱いをされるようになった。

「B・カシワギは味園ゲイツだ!!」なんて冷やかされることもあった(『なんば白鯨』などが入っているビル名の味園ビルと、ビル・ゲイツをかけたあだ名)。

「ちゃんと教えるから、弟子になる?」

そんな順風満帆な2015年、20代前半の頃に知り合った女友達と再会した。結婚して東京に行っていたのだが、離婚して帰ってきたという。近況を聞いてみると、

「魔女をやってる」

と言われた。

もともとエキセントリックな女性だったが、まさか魔女になっているとは思わなかった。

「ちゃんと教えるから、弟子になる?」

と言われて、二つ返事で了承した。

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