弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告

「負のスパイラル」が止まらない弁護士業界の内情

ルートの独占に風穴 「黒船」予備試験の来襲

結局ロースクールでは、歓迎していたはずの未修者に、初学者教育という「入り口」も、司法試験対策という「出口」も教えてくれない。途方に暮れた学生はどちらの対策も予備校などに頼らざるをえない。

それなのにロースクールでは司法試験とは関係ない課題で朝から晩まで拘束され、予備校に通う時間が取れない。予備校に行かせないよう意図的にたくさん課題を出している、とうそぶく教員すらいる。

ロースクール制度の導入で最も打撃を被ったのが、社会人の志望者だ。社会人対象の夜間専門ロースクールである筑波大学法科大学院の大塚章男専攻長は、社会人学生の置かれた厳しい実情を語る。「やはり制度上、答案の書き方などは課外で対応せざるをえない。ただ学生は平日夜間と土曜は授業が詰まっており、日曜日は授業の予習、復習で手いっぱいだ」。ロースクールの入学者に占める社会人の割合は、当初の5割から2割まで落ち込んでいる。

そんな実情に不満を抱きながらも、法曹志望者がロースクールの門をたたくのは、ひとえにその修了が司法試験の受験要件となっているためである。そこに現れたのが、11年から始まった予備試験だ。その試験形式や内容は、どちらかといえば旧司法試験に近い。誰でも受けられるこの試験にさえ合格すれば、ロースクール修了を経ず、司法試験の受験資格を得ることができる。

今年の出願者は1万人超とロースクール志願者の倍に至っている。昨年の司法試験では、予備試験合格者の合格率が68%と最も高かったことで、一躍注目を集めた。

慶応義塾大学は、来年4月から予備試験の対策講座を開始する。最大の特徴は、旧試験時代に行っていた実務家による起案教育の復活だ。「学部時代から予備試験に向けて勉強することで知識の習得が進む。ロースクールに進んでも、より教育効果が高まり、司法試験の合格にもつながりやすいはず」と、担当の小山剛教授はその狙いを語る。

実は当初、有力ロースクールの既修者コースの大半を占めていたのは、旧試験の経験者たちだった。法的知識の土台があった彼らからは、「ロースクールの授業もそれなりに役に立った」との声も上がる。

旧試験の経験者がほぼいなくなった今、予備試験のための勉強を通じて十分な法的知識を持った学生が増えれば、ロースクールの幅広い教育の役割も見直されるかもしれない。

だがロースクール側はこの予備試験も、司法制度改革の理念に反すると敵視。大学生やロースクール生の受験禁止を主張している。

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