アルプス電気、iPhoneカメラ中核部品の実力 5年で売上高3割増、アップルが認めた高品質
2011年発売のiPhone 4sからiPhone向けアクチュエーターを供給し始めると、スマホなど民生市場向けの電子部品事業の売上高は順調に伸びていった。2016年度の同売上高は2011年度比で約33%もの増加となる1816億円に達した。
成長の背景にはスマホの台数の伸びだけでなく、搭載されるアクチュエーターの変化もある。現在iPhoneに搭載されているアクチュエーターは2種類だ。1つは「オートフォーカス」で、レンズを手前や奥へ動かすことで焦点を合わせるもの。スマホで写真を撮るときに、画面に映った被写体をタップするとピントが合わせられるのはこの部品があるからだ。
もう1つは「光学手ぶれ補正」。オートフォーカスの機能を備えつつ、スマホの動きに合わせてレンズを動かすことで、手ぶれに合わせてレンズの位置を修正できるようになる。高機能化している分、後者のほうが高単価だ。
iPhoneとともにカメラ部品も進化
従来はオートフォーカスのアクチュエーターがiPhoneシリーズに搭載されていたが、2014年9月に発売されたiPhone 6 Plusに光学手ぶれ補正機能が初めて搭載された。その後、iPhone 6s PlusやiPhone 7も同機能を採用した。
2016年のiPhone 7 Plusでは、背面に2つのカメラを備える「デュアルカメラ」が採用された。片方のカメラにはオートフォーカスのみのアクチュエーターを、もう一方のカメラには光学手ぶれ補正のアクチュエーターを搭載している。つまりアルプス電気にとっては、iPhone1台当たりのアクチュエーターの搭載点数が増えたのだ。
今年発売のiPhone 8(シングルカメラ)、iPhone 8 Plus(デュアルカメラ)でも同様だ。さらに新モデルのiPhone Xは、デュアルカメラの両方に光学手ぶれ補正機能が採用されることになった。高単価の光学手ぶれ補正アクチュエーターが、初めて1台のiPhoneに2点搭載される。2018年以降、下位モデルでも同様の動きが広がれば、アルプス電気にとっては追い風となる。
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