ナイキ創った「ダメ男」、フィル・ナイトの魅力 ほぼ日CFOが語る「圧倒的リアリティ」とは?
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や著名投資家のウォーレン・バフェット氏も、本書を絶賛する推薦文を寄せていますよね。
バフェットの会社、バークシャー・ハサウェイの株主総会は有名で、本社のあるネブラスカ州のオマハという街は、そのときの数日間はお祭り騒ぎになります。
総会自体は数時間で終わりますが、バフェットや、共同経営者のチャーリー・マンガーの話が聞きたくて、多くの株主が集まってきます。そこでは、同社が投資している会社の商品の販売会があったり、地元の本屋さんが、その年のバフェット氏のお薦め本を大量に仕入れて売ったりしているようです。同社のHPでも読める株主への招集通知を読んだら、2016年はフィル・ナイトの『Shoe Dog』を売ります、ということが書かれていました。
バフェットにせよ、ゲイツにせよ、自ら事業を創ってきた人たちがあれほど称賛するということは、内容に納得し、共感したから、さらに言えば、自分よりすごいと思う何かがあるから、きっと本気で推薦されているのではないかと思いました。
仲間たちと熱狂してビジネスを楽しむ
――印象に残ったのはどの部分ですか。
それはもう、全部です!1962年、1963年といった具合に、年号が各章のタイトルになっていて、この本にはそれが18年分入っている。18年もの間、毎年毎年、こんな大変な出来事があったなんて、という驚きがあります。それだけの出来事が入っているから、とにかく中身が濃い。ビジネス書は、最初の1~2章だけ著者の魂がこもっていて、あとはその流れでさっと読める、というものも多いのですが、この本は最初から最後まで濃密でした。
時代背景の記述も新鮮でした。日本に行きたいと言った若きナイトに、おばあちゃんが、「日本人は私たちを殺そうとしたのよ」と言っているシーンからは、アメリカ側から見た戦争や日本のイメージが伝わってきましたね。あるいは、いまはたくさんの人が違和感なくやっているジョギングが、当時はクールでもなんでもなくて、変わった人がやることにすぎないと思われていたとか。
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