総選挙前に知りたい2025年の「社会保障危機」

消費税「増税延期、使途変更」の余裕はあるか

このままでは、日本の社会保障制度が破綻の危機を迎える(写真:IYO / PIXTA)
世界でも例を見ない「超高齢社会」に突入した日本。国民の生活基盤を支える社会保障制度によりいっそうの期待がかかるが、実はその社会制度がいま危機的状況に置かれている。このままでは8年後にクラッシュしてしまうおそれさえあるのだ。
9月に刊行された『社会保障クライシス ~2025年問題の衝撃』の執筆者、山田謙次氏に、日本の社会保障制度の問題点について解説してもらった。

 

『社会保障クライシス ~2025年問題の衝撃』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「国難突破解散」に伴う衆院選が迫っている(10月10日公示、22日投開票)。今回の選挙に対しては野党やメディアから「大儀がない」「争点がわかりづらい」などの声も聞かれる。また、自民党や小池都知事率いる「希望の党」の政策や公約も現時点では不透明であり、どの政党が何を打ち出し、有権者がどの政党を選ぶのかは予断を許さない。

しかし、一方で、すでにハッキリしていることもある。それは、次の政権与党が消費増税を先送りしたり、その使途を社会保障の安定化に手厚く充てなければ、8年後、つまり2025年に、ほぼ確実にわが国の社会保障制度が破綻の危機を迎えるということだ。

この「2025年問題」は、関係者の間では以前から知られていることだが、筆者が思っているほど国民には十分認識されていない。はたして2025年に何が起こるのか、本稿で皆様にお知らせしたい。

社会保障が充実し、税金が安い不思議な国

みなさんの実感としてどうかはわからないが、実は日本は世界でも充実した社会保障制度を持っている国の1つである。たとえば2013年度の国内総生産に対する社会支出(社会保障給付費のやや広い概念)割合は約24%である。これはアメリカ(約19%)やイギリス(約23%)を上回る水準で、社会保障の充実で有名なスウェーデン(約28%)には及ばないが、先進国の中で決して見劣りする水準ではない。

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