30年続く「マタニティコンサート」の感動秘話 胎内で音楽を聴いた赤ちゃんもお母さんに
マタニティコンサートをご存じだろうか。妊娠した女性たちに心身ともにリラックスしてもらうことを目的とした音楽コンサートであり、リラックスすることで母体の血流がよくなり、胎児の発育がよくなるなど、音楽にはさまざまな効果が期待されているという。
このマタニティコンサートの草分け的存在として知られるのが、フルート奏者の吉川久子さんだ。吉川さんは、これまで30年にわたり、1300回を超えるマタニティコンサートを実施し、その間、1993年には秋篠宮妃紀子様、2014年には秋篠宮ご夫妻のご臨席の下、フルートの音を披露するなどしてきた。
30年にわたる活動の裏には、たくさん苦労もあったと思うが、長期にわたって活動を続けてこられた原動力や、今年10月から開始する「愛のフルートコンサート 未来の子供たちへのオマージュ」と題する全国ツアーに懸ける思い、さらに、日本では意外と知られていない東欧の親日国、セルビアとの音楽を通じた交流などについて、話を伺った。
マタニティコンサートを始めたきっかけは?
吉川さんは、音大卒業後、レコード会社「日本コロムビア」に就職し、レコード制作のディレクターを目指していた時期がある。ソリストへの夢が捨てきれず、後に会社は辞めることになるが、この会社員時代に、後のマタニティコンサートの原型となるような活動が始まった。
母子手帳の発行を受けた妊婦を対象とする「母親学級」で、妊娠中の注意事項などの話をする合間のリラックスタイムに、ちょっとフルートを吹いてみないかという話が、会社の仕事として来たのだ。吉川さんが、音楽と心理について勉強していたことや、世界中の子守歌を収集する活動をしていたことなどから、白羽の矢が立ったのではないかという。
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