「仕事を先延ばしするスキル」が人生に必要だ 「毎日18時頃退社する」ドイツ人はやっている

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(2)毎日、「3つだけやるリスト」を作る

最初は、うまく「先延ばし」することが難しいかもしれません。そんなときは、毎朝、今日絶対にやらなければいけない仕事を3つだけ決めてみるのはいかがでしょうか。

その3つ以外の仕事は今日やらなくてもいいのだと考えて、終わったら定時で帰るのです。「今日絶対クリアすべきこと」が明確になっていれば、それさえクリアしていれば帰りやすくなります。

先延ばししたらその分、翌日以降が大変になると思うかもしれませんが、翌日は翌日でまた、3つになるように、頑張って絞り込んでください。頑張ってこなすのではなく、頑張って絞り込むのです。そうして翌々日以降も続けていってみてください。

この「3つだけやるリスト」は、即断即決の習慣を身に付けるためにも役立ちます。今日やろうと決めたことは、先延ばしせずにすぐに行動に移す。たとえば企画書を書いて上司に提案するところまでをセットにしておくのです。そうすれば決めてから行動するまでのスピードが速くなります。

ただ、例外的に翌日までアイデアを寝かせたほうがいい場合もあります。即断即決する作業と熟考する作業を分けられると、効率よく仕事を回せるようになります。

「自分の人生」をコントロールする

『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

多くの日本人は時間に流されているのではないか、と私は感じています。仕事に追われている時点で、受け身になっているのではないでしょうか。

「仕事に追われるな、仕事を追え」とよく言われますが、実際にはそうなっていない人が大半ではないでしょうか。それは、1人ではさばききれない仕事を任されているからだと考えているかもしれませんが、ほかの人に任せるなり、省略できる仕事は省くなり、コントロールする方法はいくらでもあります。

時間をコントロールすることは、自分の人生をコントロールすることにもなります。

ためしに、「今晩中にこの資料を作らないといけない」と思っているのなら、あえてその作業をやめて、今晩は自分のやりたいことをやってみてください。そのほうが気持ちの切り替えができて、翌日は意外と作業がスムーズに進むかもしれません。

本当に今日中にやらなければならない仕事はめったにないものです。そう思い込んでいるだけで、実際には融通の利く仕事が大半ではないでしょうか。

隅田 貫 メッツラー・アセットマネジメント シニアアドバイザー

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すみた かん / Kan Sumita

1959年、京都生まれ。1982年、慶應義塾大学経済学部を卒業後、MUFG(旧東京銀行)に入行。3回(計10年以上)にわたるドイツ・フランクフルト勤務を経て、2005年よりドイツ地場老舗プライベートバンクであるメッツラー・グループ(Metzler Asset Management、1674年創業)フランクフルト本社で日系機関投資家を対象とした投資顧問業務を担当。本社唯一の日本人として日独企業風土の本質及びその違いを見る目を養う。20年にわたるドイツ勤務経験を活かし、日独産業協会(NPO)特別顧問として日独経済人の懸け橋として尽力。

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