「仕事を先延ばしするスキル」が人生に必要だ

「毎日18時頃退社する」ドイツ人はやっている

その日に忙しくなるのがわかっているなら、そうならないように時間をやりくりするのがドイツ人。プライベートでもダラダラ時間を消耗するということはありません。

前回記事(「上司に相談します」は生産性で見て致命的だ)で、ドイツ人の生産性が日本の1.5倍であることを紹介しましたが、その理由はこういうところにもあるのだと思います。

「本当にやるべき仕事か」

では、どのように時間を管理するとよいでしょうか。

「本当はやらなくてもいいのに、やってしまう」というケースは、皆さんにも経験があるのではないでしょうか。

たとえば、今日は10の作業をすることが決まっていた。ところが、夕方になって上司から突然、「ごめん、明日の会議に必要な資料を、至急作ってもらえるかな」などと言われ、作業が増えてしまう。こういう場合、日本人は10の仕事に緊急の仕事を加えます。場合によっては、長時間の残業をして仕事を片づけます。

責任感のなせるわざといえますが、時としてワーク・ライフ・バランスの「ワーク」に重きを置きすぎていないでしょうか。

ドイツ人はどうでしょうか。私の経験では、当日予定していた仕事の優先順位を見極めて、優先順位の比較的低い仕事は極力、翌日以降に回すよう力を尽くします。もちろん、どうしてもできなければ残業もいといません。とはいえ、大半の場合はなんとかなっていたように思えます。

つまり、ドイツ人は堂々と先送りするのです。

それは、自分のプライベートを犠牲にするという発想をあまり持っていないからでしょう。ドイツ人は言ってみればライフを優先させる「ライフ・ワーク・バランス」という考え方なのです。

「先送りしたら明日以降の作業が増えるだけだから、もっと大変になる」と思うかもしれません。そうやって、毎日尽きない仕事と格闘している人も少なくないでしょう。そのような人にとってもドイツ流の「量的な削減をしながら日々の働き方にメリハリをつける先送り」の考え方はヒントになるはずです。

働く時間を増やすのではなく、労働効率を上げる方法を考えるのです。ドイツ人の同僚が手際よく、優先順位の変更を行って柔軟に仕事をしていた様子が今も目に浮かびます。

Eメールが当然のツールとなった今日、メールは時間と場所を選ばず飛んできます。日本では休日でもメールへの対応を迫られることも少なくありません。

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