ペット店は、「新品」の犬を売ってはいけない 米カリフォルニア州の新しい法律とは?

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ペットショップの一部、ペットコやペットフード・エクスプレスなどはすでに、商業目的で繁殖されたペットの販売をやめ、代わりに保護された動物を受け入れ、里親探しの催し物を開いている。

全米最大の動物愛護団体「米国人道協会(HSUS)」によれば、カリフォルニアの販売業者391店はすでにパピーミルの動物は売らないと誓約済み。ブリーダーから仕入れた子犬や子猫を販売していたペッツマートも、同社ホームページによれば、保護動物だけを扱うビジネスに転換し、これまでに760万匹以上の動物を引き取ったという。

まず、保護動物を引き取ることを考えるべき

HSUSは原則、ペットを飼いたい人はまず家を探している保護動物を引き取ることを考えるべきだと考えている。多くの動物愛護団体は、ブリーダーから買うことにも反対だ。HSUSはブリーダーは例外的に認める場合もあるが、それも、ブリーダーが外部からの訪問を受け入れていて、子犬や子猫の両親にも会える場合に限る。無責任で残酷なブリーダーでないことを最低限、確認するためだ。これに対してペットショップが商業ルートで仕入れる動物は、どこからきてどんな環境で生れ育ったものかチェックできないので買うべきでないという。

「パートナーとしての動物」の福祉という点では、カリフォルニアは全米でも最も進んだ州の一つ。たとえばロサンゼルス市議会は2016年、保護動物以外のペット販売を永久に禁止した。同様の規制を持つ自治体は州内で数十にのぼる。またカリフォルニアには、シェルターについても最も包括的な規制法があり、シェルターは必ずしも勝手に動物を処分することができない。ノーキル・センターによれば、この法律によって年間4万6000匹の動物の命が救われている。

だが、誰もがこの法律を喜んでいるわけではない。ドッグショーを主催し、犬種標準を定め、純血種の繁殖を推奨しているアメリカン・ケンネル・クラブは、人による繁殖を儲からなくするこの法律を批判する。同法の支持者を「動物愛護過激派」と呼び、ブリーダーを葬り去ろうとする陰謀だとする声明を出した。

(文:クリスティン・ヒューゴ)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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