あなたの前の上司は、頭がよくてドライなタイプとのことですが、人の気持ちの動きをつかんで仕事をしていないようにも感じられます。誰だって1人だけでは仕事はできないのだし、人の気持ちに敏感な人でなければ、大きな仕事なんて成し遂げられません。あなたのことを評価してはいても、あなたが評価されるようにどう動けばよいか、までは考えていないかもしれない。つまり、前の上司についていっても、あなたが得するように指導してくれるかどうかは微妙だということです。
まぁ、そもそも、その上司同士、いくら仲が悪かったとしても、不仲だと有名になるような行動をとり続けるなんて、とても派閥を持ち、組織に強い影響力を発揮するリーダーとしての度量があるとは思えません。これは「社内派閥」ではなくて、ただの上司同士の「不仲」。「社内派閥争い」に巻き込まれたとか、それに属するかどうかとか、というような大げさな話からは遠いでしょう。
どちらかを選ぶ必要も悩む必要もない
話はそれてしまうかもしれないですが、私はこれまで、「派閥」に誘ってもらったことも属したいと思ったこともないのです。それは、私は仕事ができない部下だったこともあるだろうし、損得にやや鈍感だったこともあると思います。でも、社内で影響のある、力のある人たちで、個人的に慕いまくっていた人はたくさんいました。
その経験から思うことは、「○○さん派」は、その人が作ろうと思って作られるものではなくて、その人を慕う人たちが勝手に集ってきてできてしまうものだということ。私が尊敬してつきまとっていた人たちは、同じメンツで頻繁に集まっているときは、スポーツとか食べ物とか、真ん中に「好きな遊び」「趣味」があって、仕事人ではなく友人同士の顔をしているように見えていました。仕事の話をしている雰囲気はまったくなかったので、「趣味が同じ」でなければ、その中に交じろうと思ったことはありません。
ただ、会うたびに新鮮な学びを得られる人、人として前向きなパワーを与えてくれる人とは、組織を超えて教えを請いたいし、相談してしまうし、個人的なことでも何かあれば力になりたいと思ってしまうものですよね。だから、私はその人とマンツーマンの「師弟関係」は結びたいと強く願いました。だからこそ、「派閥」が仮にあったとしても、それが私には見えなかったのかもしれない、と今になって思います。
あなたも、「派閥」なんて大げさな話ではなくても、今の上司、前の上司のそれぞれのよさを知っていて、刺激を受けることが多く、もっと教えを請いたいと思うのであれば、それぞれをそれぞれのポイントで、思い切り慕ってしまえばいいのではないでしょうか。
わざわざ、どちらかを選ぶ必要も悩む必要もありません。先輩が「○○派だと思われている」と言うのは、「前の上司を慕っているよね」くらいの意味にとらえておいて、ただ、今の上司にはもう少しだけ気遣いをするようにしてみたらどうでしょう。
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