新型iPhoneは「発表会場」も史上最強だった アップル好きが待ち望んだ「もう1つ」の事

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階段の手すりにもこだわりがある(筆者撮影)

らせん状のエレベーターもユニークだったが、階段を上り下りする際に利用した手すりにこだわりを感じた。階段は石の壁に沿って弧を描きながら設置されているが、その壁の部分はくりぬかれ、手触りのよく握りやすい手すりになっていたのだ。

金属の手すりを設置するわけではなく、明るい空間の雰囲気を崩さずに手すりとしての機能を果たしている点、そしてその手触りがとても気に入った。

一方で、地上ロビー部分の床の目地は、建物中央付近では直角に交わっておらず、東西南北も外していた。なんらかの意図があるのかどうかはわからないが、こだわりの多い建物のこと、何か意図があったのかもしれない。

今後のアップルにとって「価値のある場」

米国時間9月12日のプレス向けイベントで、ティム・クックCEOが、共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の意志を受け継ぐ思いが込められた新キャンパスを紹介(筆者撮影)

イベント後は晴れて暑くなった。強い日差しを受けたSteve Jobs Theaterは、美しい青空と雲の風景を映し出し、その円盤ごと、まるで空中に浮かんでいるかのような風景を作り出していた。

今後もアップルは、開発者会議以外のイベントをSteve Jobs Theaterで開催することになるだろう。象徴的な名前を付けた場所を設けて情報発信の拠点にしていくことは、体験をコミュニケーションで伝えていこうとしている今後のアップルにとっても、価値のある場となるはずだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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