iPhone Xが「記念碑的モデル」といえるワケ 「未来へつながる道」を指し示している

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搭載されるプロセッサーはA11 Bionicと名付けられた独自開発のもので、従来は他社からライセンスしていたGPU部を含め独自開発。iPhone 7に搭載していたA10よりも25%高速なCPUは、電力効率が70%高まった。内蔵GPUはライセンスしたものではなく、はじめて独自開発。30%高速化したことも目玉だが、iOSに搭載しているグラフィクス機能やマシンラーニングに使う分析機能に最適化させている。

カメラに使うイメージプロセッサー(ISP、イメージシグナルプロセッサーという)もアップル独自設計だ。高速なオートフォーカスと帯域ごと個別にノイズ処理を最適化できるマルチバンドノイズリダクションをハードウェアで実装した。その結果、新型センサーや階調特性が良くなっているようだが、機能面ではデュアルカメラを搭載するiPhone 8 Plusにおいてさらに多くの恩恵をもたらす。

新たに「ライティング効果」を搭載

iPhone 8のポートレートモードで撮影(筆者撮影)

iPhone 7では「ベータ版」として搭載されていた主被写体を認識して背景をぼかす「ポートレートモード」は、顔の形状を認識することでスタジオライティングを模した、さまざまな特殊効果を利用できるようになっている。

記録された写真には、こうしたライティング処理を行うための追加情報が加えられているため、撮影後にライティングを変更することもできる。

こうした処理を行うための機能がA11 BionicのISPで実現している。同じデュアルカメラでも、iPhone 7Plusでは輪郭や顔の形を認識できないのはこのためだ。ISPはビデオ処理も担当するが、内蔵する動画圧縮エンジンも強化されたため、4K映像は毎秒60フレームを実現。あるいはフルHDで毎秒240フレームのスーパースロー撮影も行える。

iOS 11で追加されることが予定されていたAR(仮想現実)機能は旧モデルでも利用できるが、iPhone 8シリーズではジャイロセンサーや加速度センサーが新型になり、AR機能をより高精度に実現できるよう調整されている。

と、ひととおり紹介された機能をトレースするだけでも盛りだくさん。デザインなどはコンセプトをキープしながらも、より洗練されたものに仕上げ、性能を強化。さらに6月のWWDC(開発者会議)で発表していたiOS進化の方向性に合わせてハードウェアを刷新している。ハードウェアと基本ソフトを同時に開発するアップルらしい、手堅い進化と言えるのではないだろうか。

なお事前のうわさ通りに追加されたワイヤレス充電機能だが、業界標準のQiを採用するだけでなく、現在、使用策定を進めようとしているマルチデバイス充電機能の対応も予告した。

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