iPhone Xが「記念碑的モデル」といえるワケ 「未来へつながる道」を指し示している
アップルはiPhone Xの上部にあるごく僅かな切り欠きに、3D形状を認識するセンサー群とフロントカメラ、環境高センサー、スピーカーなどを並べ、さらに100万回に1回という低いエラーレートで正確に個人識別を行う。しかも極めて識別速度は早い。これはA11 Bionicに内蔵されたニューラルエンジンを活用しているためだという。
アップルは、この顔の形状、表情を認識する機能を応用したアプリケーションをFace ID以外にも2種類用意した。
ひとつはフロントカメラへの応用で、従来はリアカメラでしか行えなかったポートレートモードがフロントカメラでも利用可能となり、ライティング効果も8 Plusのリアカメラ同様に利用可能だ。実際に試したところ、むしろ顔の形状を正確に把握しているフロントカメラのほうが、ポートレートライティング機能が上手に動くようだった。これにより自撮り画像をポートレートモードのライティング機能で加工することができる。
もうひとつはAnimojiと名付けたアニメーション版の絵文字を作れること。顔の表情を読み取って、笑ったり驚いたり、あるいは怒ったりといった表情を、あらかじめプログラムされている6種類のキャラクターの表情へと置きかえ、音声とともに記録。それをiMessageで送ることができる。
単なる「機能追加」ではない
もちろん、単なる機能追加のためであるならば、こうした複雑な仕組みを投入する意味はない。iPhone XとiPhone 8シリーズに搭載するA11 Bionicや新しい基本ソフトのiOS11に共通するキーワードである機械学習やニューラルネットワークといったキーワードも含め、新しいプラットフォームとして取り込むことで、アプリケーション開発者が新しい領域に踏み出すことをアップルは期待しているのだろう。
アップルCEOのティム・クック氏は、かつてスティーブ・ジョブズ氏が言っていたという言葉を引用しながら「我々はみんなが向かっている方向を追いかけるのではなく、向かうであろう場所に向かって、自ら動く」と話した。
10年前、現在にまで続くエレクトロニクス業界の基礎部分を作ったのは初代iPhoneだった。iPhone Xはこれからの10年を変えていく製品だとクック氏は言う。アップルは、iPhone Xを新しい起点として、未来につながる道を示していくに違いない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら