インテル"社長補佐官"は、スーパーマザー 部屋はピカピカ、美容もカンペキ?

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無事、インテル日本法人に採用され、筑波のオフィスで半導体の受注予測や、在庫管理を行うカスタマービジネスアナリスト職に就いたが、仕事が慣れた矢先、体の異変に気づいた。妊娠だ。

「まだ授業料の返済が大分あるし、会社に入れてもらったばかりだというのにどうしようと焦りました。ところが会社に妊娠の報告をしたら『で、いつから産休?』といったノリで、相手にまったく抵抗がない。これには、拍子抜けしました」

アメリカ滞在中に知り合った2歳上のご主人と結婚し、長男を産み、産休・育休を取得したが、そこでまた今後のキャリアの問題に直面した。

「当社は育休復帰後、前にいた部署に戻れる決まりなのですが、夫の仕事の関係で横浜に住み始めたため、筑波に通うのはどう考えても無理。『だったら、東京オフィスでポジションを勝手に探せ』と言われて、また焦りましたね」

世界中のポジションが、イントラで探せる

異動したければ、異動先は自分で探せ――。と言われれば、普通の日本人は真っ青になるかもしれない。だが、成果主義の本場アメリカに本社があるインテルでは当たり前のこと。社員に強い主体性や自立心が求められるが、その分、会社のインフラサポートも手厚い。

「人材の空きがある世界中のポジションがイントラにアップされているから、チャンスはごろごろ転がっているのです。自分で『ここに行きたい』と思うポストを見つけて、先方に履歴書を送り、受け入れられ、今の上司とその上司との話しがつけば、世界中どこにでもボンと異動することができるのです」

小谷さんも、この仕組みを活用し、育休復帰後は、東京オフィスの社内システムのアナリスト職に就いた。インテルのイントラネットはあまりに情報量が多く、複雑な構造だったため、ユーザーの使い勝手を上げることがミッションだった。

「私がいた情報システム部はワールドワイドの部署だったため、上司はシンガポールにいるシンガポール人。プロジェクトメンバーも米国やアジア各国など、世界中に散らばっていて、打ち合わせや相談は95%が電話。プロジェクトは1年以上に及ぶ大規模なものでしたが、一度も会ったことがない人が100%に近かったですね」

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