このときに気をつけたいのは、今のフィールドで収穫が見込めなくなってから、次を考えるのでは遅いということ。たとえば、リストラに遭ったり、環境変化などによって自分がそれまでと同じような働き方が難しくなってから、さて次はどうしよう……?と考えるのでは、取れる選択肢が限られてしまったり、大きな不安に襲われたり、収穫までに時間がかかり生活に困るという事態が考えられます。
では、どんなふうにフィールドを見つけたり、収穫できるようにしていったらよいでしょうか? フィールドを見つけるために必要な3つの考え方をご紹介しましょう。
まず1つ目ですが、自分の価値を改めて棚卸ししましょう。新しいフィールドというと、つい今のフィールドのことを忘れてしまいがちですが、実は今のフィールドでどれだけ収穫できたのかということが、次のフィールドを見つけることに役立ってきます。
・自分の強み、得意なことは何か (志向性、才能……)
・自分の商品価値は何か (実績、信頼、ブランド……)
まずこういったものをじっくりと考えてみましょう。
私は新卒で入ったアパレル企業でシステムエンジニアの仕事をしたのち、コンサルティング会社に転職。現在は独立して執筆・講演・研修講師などをしており、まさに三毛作目くらいですが、キャリア相談を受けにくる方から、「私には実績がないから、清水さんのように次々とキャリアを築くなんて無理です」というようなことを言われます。しかし、実際にカウンセリングをしていくと次第に、「自分の強みがわかってきました。自分のノウハウって捨てたもんじゃなかったのですね」と自信に満ちた表情に変わってくる方に何人もお会いしました。
自分がやってきたことに価値がある、自分自身に価値があるという自己肯定感は、新しいフィールドでも大丈夫だと信じるためには絶対に必要なものです。この自己肯定感がないと、今のフィールドが枯れているにもかかわらずしがみついてしまうことにもなりかねません。
偶然を計画する
「偶然を計画する」とは、随分矛盾することのように思えるかもしれませんが、実はキャリア理論の中でも代表的な考え方です。
「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その偶然を計画的に設計して自分のキャリアをよいものにしていこうというもので、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された理論です。
変化の激しい時代において、あらかじめキャリアを綿密に計画したり、計画に固執したりすることは非現実的になっていくでしょう。1つの仕事や職業に固執することは、それ以外の可能性を捨ててしまうことにつながるからです。
当然、偶然が起こるのを受け身で待つだけではフィールドを見つける可能性はわずかです。偶然を自ら創り出せるように積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませることが不可欠になります。そのための5つの行動指針があります。
②「持続性」―― 失敗に屈せず、努力し続けること
③「楽観性」―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
④「柔軟性」―― こだわりを捨て、信念、固定概念、態度、行動を変えること
⑤「冒険心」―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
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