ハリケーン大被害に、MLB球団はどう動いたか ヤンキースと宿敵Rソックスが見せた即反応

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そして、ボストンマラソンの爆弾テロの後、レッドソックスは大々的なチャリティ活動を展開した。

その結果、チャリティグッズの収益約120万ドル、チャリティオークションの収益約4万ドル、球団からの寄付60万ドル、メジャーリーグ機構・選手会からの寄付35万ドル、合わせて約219万ドル(当時のレートで約2億1900万円)が、わずか1カ月で集まった。

その収益はすべて、テロの犠牲者の遺族や負傷者の支援に充てられている。レッドソックスはテロ発生から試合再開までのたった5日間で、チャリティグッズのデザイン、製作、搬入までのプロセスを滞りなく行った。

スポーツの価値は、グラウンドの外でも発揮できる

今回のハリケーンの被災者支援も、爆弾テロ直後の支援も、まず注目すべきはその迅速さである。甚大な被害により緊急支援が必要な際には、プロスポーツが率先して支援活動を呼びかけることにより、チームのフォロワーであるファンを一気に巻き込むことができる。

「贔屓のチームが支援しているなら」「あの選手が参加しているなら」と寄付ボタンをクリックする人も少なくはないだろう。彼らがいつも素早くアクションを起こすのは、その影響力を自覚しているからこそでもある。

そして何より、今回は因縁のライバル関係であるヤンキースとレッドソックスがタッグを組むことに心を動かされたファンも多いはずだ。日本で言えば、国内で起きた大きな災害に対し、読売ジャイアンツと阪神タイガースが率先して力を合わせるようなもの。そのようなことがもし日本で実現したら、野球ファン以外からも注目を集めることとなり、大きな支援につながる可能性は高い。

プロスポーツの醍醐味は、選手がグラウンドで見せるスーパープレーにあるのかもしれない。しかし、この2球団のタッグは、スポーツの価値がプレーだけではないことを改めて証明してくれたのではないだろうか。

岡田 真理 ライター

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おかだ まり / Mari Okada

1978年静岡県生まれ、立教大学文学部卒業。プロアスリートのマネジャーを経て2007年よりフリーランスライターとして活動。『週刊ベースボール』『がっつり!プロ野球』『スポーツナビ』などで執筆するほか、『谷繁流キャッチャー思考』(日本文芸社)『北島康介トレーニング・クロニクル』(ベースボール・マガジン社)などの書籍で構成を担当。2014年に野球を通じてチャリティーなどの社会貢献活動を行うNPO法人「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション」を設立。「プロ野球静岡県人会」の事務局長、および侍ジャパンU12監督・仁志敏久氏が主宰する野球振興プロジェクト「ホームベースクラブ」の運営も行っている。

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