ジーターが選んだ引退後の意外なキャリア 元スポーツ選手ならではの情報サイトを開設
いまや彼は競争相手だぞ――。高級時計のエフライム・グリンバーグCEO(最高経営責任者)が、集まった記者たちにそう語ったのは、12月8日のことだ。
「彼」とは、昨シーズンで米大リーグ(MLB)ニューヨーク・ヤンキースを引退した、デレク・ジーター(41)のこと。この日ジーターは、ニューヨークにあるモバードのショールームで開かれるイベントに顔を見せることになっていた。
有名スポーツ選手が直接投稿する
ジーターは引退直後の2014年10月、スポーツニュースサイト「ザ・プレーヤーズ・トリビューン」を立ち上げた。有名スポーツ選手が、記者を通さずに、自分の言葉でコメントや意見を発表する場所、という触れ込みだ。シニアエディターには、米プロフットボール(NFL)のラッセル・ウィルソン選手や、レーシングドライバーのダニカ・パトリックらスーパースターが名を連ねている。
元スポーツ選手にとって、第2のキャリアで成功するのは容易ではない。現役時代はヤンキース一筋で活躍し、ファンに親しみを込めて「ザ・キャプテン」と呼ばれたジーターにとって、そのハードルは一段と高く見える。だが彼は、いきなりホームランを狙ってフルスイングしている。
何人かの選手の投稿が社会的な話題を呼んだこともあり、「ザ・プレーヤーズ・トリビューン」はスポーツファン以外にも広く知られつつある。2014年には、米プロバスケットボール協会(NBA)ロサンゼルス・クリッパーズのブレーク・グリフィン選手が、オーナーのドナルド・スターリング(当時)を「変なおっさん」と呼んだ投稿が大いに話題になった。