「東京ガールズコレクション」驚異の事業構造 「国連」も巻き込む圧倒的ビジネスモデルとは

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その影響度ではほかのファッションショーを寄せ付けず、回を追うごとに高まる発信力は、TGCとソーシャルメディア(SNS)との相性のよさが相乗している。会場来場者数延べ約3万人、LINEでの生中継視聴者数140万人以上、さらにTGC当日の「#TGC」でのツイートは1億インプレッション以上……。広告換算額は50億円超に上る。

スマホは「その場で購入」するためのツールから、「その場の体験を発信」するためのツールへと変化し、ショーという現場に臨場しているリアルな気持ちを世界中に拡散していく。

協賛企業の出展ブースの商品を手に取って、お気に入りのポーズでInstagramにアップするなど、プロのリポーターさながらである。彼女たちは、「インフルエンサー」と価値づけされ、TGCというショーにおカネを出して参加し、かつ、ショーに出品されている服をその場で購入し、そして、その体験をPRしてくれている。

TGCのプラットフォームで商品開発

SNSの台頭によりTGCは、いまや100万人以上に同時に共有されるイベントメディアになり、出演者や参加者、視聴者とその空間を共有し、一人ひとりから発信され拡散される存在へと変革を遂げた。

ブランドビジネスにおけるデジタル・イノベーションの先駆者として、最旬トレンド・マーケットを熟知し、開発から流通、リアルからメディアまでを網羅したTGCは、エコシステム(複数の企業や登場人物、モノ、コトが有機的に結びつき、循環しながら広く共存共栄していく仕組み)の中心にいるプラットフォーマーとしてとらえることができる。

TGCのプラットフォーマーとしての役割は、多岐にわたる。共通するのは「10代から20代の女性がターゲット」ということになるが、特定の業界やカテゴリーに特化したプラットフォームではない。

たとえば、「10代から20代の女性」をターゲットにしたペットボトル飲料を開発したいという要望があれば、ブランドモデル、スタイリスト、カメラマン、TGCのイベントに参加するインフルエンサーからリサーチを行い、パッケージからテイストまで共同で開発を進め、TGCをその「お披露目の場」として、コンテンツを制作していく。

また、この過程はSNSを使って拡散されることで、TGCのステージといったリアルな現場から、WebニュースやTVといったメディアまで網羅されたプロモーション活動に拡大することができ、加速化した効果を生み出す。

まさに、店舗やイベント、ネットやモバイルなどのチャネルを問わず、あらゆる場所で顧客と接点を持とうとするマーケティング手法、つまりは、オムニチャネル戦略に成功している。

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