大銀行の人事異動は、とてつもなく理不尽だ 「銀行渉外担当 竹中治夫」第8巻を読み解く
大きな組織のなかで翻弄される個人
竹中治夫は今回のストーリーでは怪文書によって、彼の人事異動が大変な危機にさらされることになる。大きな組織のなかで自分の意思ではどうにもならない運命に翻弄される個人の戦う姿というのは痛快である。
『銀行渉外担当 竹中治夫』第8巻では、こうした銀行の秩序維持のためのルールが理不尽に竹中の人生をふりまわそうとする。カミュは「人生は理不尽なものなので、個人の人生に大きな意味はない。自分の人生を大きな物語に投げ込め」と語った。カミュがいう「大きな物語」とは共産主義だったが、現代の大企業に生きる会社員にとっては、会社こそ自身を投げ込むべき「大きな物語」なのかもしれない。
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