なお、真奈美さんは年に最低3カ月間は日本に戻っている。静岡にある共同経営のお店も気になるし、母親にも会いたいからだ。普段は離れて暮らしているからこそ、新鮮な気持ちで親孝行ができると感じている。
「私が自宅にいない間は、ハンバーグやカレー、ミートソースなどを1品ずつ小分けして冷凍庫に入れておきます。彼はそれを解凍して夕食のおかずにするんです」
世の中には定住に向かない人もいる
清潔でシンプルな生活を愛しているマイケルさん。日本への興味と理解もある。パートナーとして気楽な存在だ。
「マイケルも休暇を取って来日するのを楽しみにしています。私の親戚や友だちの子どもたちに大人気なので、居心地がいいみたいです。普段の生活では、文化と言葉が違うことはお互いに配慮しています。忍耐力を持ち、理解し合う努力はしているつもりです。でも、(ずっと英語で暮らしている)私のほうはときどき爆発しちゃいますけどね」
ときどき日本に帰るのは「ガス抜き」の意味もあるのだ。かといって、ずっと日本で暮らすのもストレスがたまってしまう。真奈美さんにとって現在の暮らし方はちょうどいいのかもしれない。世の中には定住に向かない人もいるのだ。
マイケルさんは5年後には定年退職をする。現在、「老後はどこに住むのか」を二人で楽しく相談しているところだ。
「彼はみんなによくしてもらえる日本に住みたいようです。私も日本のほうが働きやすいのでそれが現実的かもしれません。でも、理想はオーストラリアをベースにした2拠点生活です」
ちなみに、まだ新婚旅行にも行っていないので、老後プランと同時に旅先を検討中だ。船旅がしたい真奈美さんと、体が大きいので窮屈な船室には抵抗感があるマイケルさんの意見は合わない。もちろん、そんなことでケンカにはならない。
「ネットで知り合った割にはうまくいっている夫婦ではないでしょうか。国際ネット婚活、おすすめですよ。中学英語レベルで十分です。オーストラリアに長くいる日本人の中には私よりも英語ができない人がたくさんいます。慣れてしまえば生活に支障はありません」
謙遜ぎみに語る真奈美さん。その表情は明るく、リラックスしていることがわかる。英語力を向上させるつもりはないと言い切るところに笑ってしまった。その代わり、「海外に住みたい。海外の男性と結婚したい」という夢に向かって突き進む勇気と力はあった。自分のやりたいことが明確であれば、それで十分なのかもしれない。
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