期せぬ死後のスマホ、考えたことありますか ネット上の情報を放置していたらリスクも

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富士通のスマートフォン「arrows NX F-01J」は虹彩認証を搭載している。専用カメラで瞳を写すと、一瞬で本人認証してロックを解除する

デジタル機器とインターネットの普及で、世の中はどんどん便利になっています。写真を撮ったら現像に出すこともなくその場で閲覧できますし、仕事の書類が膨大にたまっても作業机を圧迫することなくハードディスクの中に収まってくれます。数年前に書いた日記も断片的なキーワードで検索にかければすぐに見つかります。

しかし、普及に伴って持ち主が亡くなった後の行く末も整備されてきたかといえば、必ずしもそうではありません。上場企業や国際的な大企業が提供するサービスであっても、持ち主が亡くなった後のことはほとんど白紙ということも往々にしてあります。いつかはきちんと準備されるかもしれませんが、それまでは自分たちで準備したり、整理したりしなければならないワケです。

米国デラウェア州は2014年8月にデジタル遺品の相続を保証する条例(Fiduciary Access to Digital Assets and Digital Accounts Act)を可決していますし、フランス政府は2016年10月に「Digital Republic bill」というデジタル資産の保護を目的とした法律を交付しています。これらの法律が主要サービスの利用規約に影響を与え、世界中に影響を与えていくこともあるでしょう。

拙著『ここが知りたい!デジタル遺品・資産を開く! 託す! 隠す!』でも詳しく解説していますが、今後、情報端末には持ち主に関する重要な情報がますます集約されるようになっていきます。そこに高度なセキュリティを求めるのは自然な流れです。他人が情報端末にアクセスするハードルはどんどん上がっていくでしょう。

オンライン上の死後放置の景色が消える?

オンラインに目を向けると、使われなくなったユーザーページを取り巻く環境が変わろうとしていると感じます。

インターネットには無料で手軽に始められるサービスがたくさんあります。SNSやブログのほか、ショッピングサイトの会員ページや動画サイトのマイページなどを持っている人も多いでしょう。これらの無料ページには、使われなくなったものが大量にあります。利用者が飽きてそのままにしていたり、IDとパスワードを忘れてしまって再ログインできなくなったり、亡くなってしまったりと理由はさまざまです。

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