――哲学的に考える契機になるかもしれない……。
これでは不平等になる、先生によって教える内容も採点基準も違うことになる、と不満が出る。これに対しては、世の中において不条理は付きもの、それが人生だとの答えが返ってくる。自分の人生において親を選べない。性別も国籍も選べない。学校の先生の良しあしごときの話ではない。そういうものなのだとたたき込んでおかないと、「歪んだ平等感」を持つ。幼少時から自然にわからせておく。そうすれば本人も打たれ強くなる。失敗を逆に面白がり、また後々自ら考えて自立していく人になるとの考え方だ。
――新大統領が体現している印象です……。
マクロン大統領は39歳。フランス史上最年少で、71歳の米国トランプ大統領とのやり取りでも負けてはいない。むしろ彼に垣間見える「老獪さ」からは、両者は対等だという印象を受けた。フランスの政治家は若い時代にトップ養成校のグランゼコールなどで鍛えられる。虚勢はなく、そういう局面での立ち居振る舞いをロジカルに体得している。今回も自身の言いたいことを相手にうまく言わせていた。
三色旗が象徴する「自由・平等・博愛」の平等は…

――スーパーエリートだから?
確かに彼らはすごく達者だ。日本と教育制度が違い、受験の一点に絞って暗記に励むのではなく、バカロレアに向けて、そして国立行政学院(ENA)などグランゼコールの修了までの期間に、それなりのトレーニングが効いて特権的なキャリアに育っていく。
――階級社会であるようですね。
しっかり残っている。平等とは“神の前”においてであって、その橋渡しをするのが学歴との見方だ。実態は学歴による「階層社会」。実際、一握りのスーパーエリートが国際的舞台に立って、国民を牽引している。この階層社会においては、頂点にいるエリート層とそれ以外との間に、持てる富と名誉と権力について隔絶した差がある。それはほぼ学歴によって規定される。そして彼らは国家の手によるスーパーエリート育成の教育システムから輩出されているのだ。
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