帰ってきたサントリーホールは、話題満載だ 改修工事後の企画には工夫がいっぱい

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さて、サントリーホールと聞けば、一般的にはステージ後方に鎮座する巨大なパイプオルガンを備えた大ホールをイメージするのが普通だろう。だが「ブルーローズ」と名付けられた小ホールの存在も見逃してはならない。

収容人数は、大ホールの2006席に対してブルーローズ(小ホール)は384席。当然のことながらこの大きさに見合った音楽を聴くためのホールにほかならない。では、ここではいったい何を聴くべきか。その答えのひとつがリニューアルオープン直後の9月後半に予定される「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2017」だ。

クラシックにおける最大勢力「室内楽」

「チェンバーミュージック」とは、いわゆる「室内楽」のこと。クラシックのさまざまなジャンルの中でも特に敷居が高いと思われがちの「室内楽」も、「チェンバーミュージック」と聞くと何となく肩の力が抜けた感じで心地よい。本来は王侯貴族の館で演奏される音楽の総称である「室内楽」は、美しい旋律の宝庫であることをご存じだろうか。

複数の奏者が共演するスタイルを基本に、小規模な管弦楽編成までをカバーする、いわばクラシック音楽のエッセンスをギュッと詰め込んだジャンルが「室内楽」だ。弦楽器はもちろん管楽器や打楽器に人の声など、その組み合わせは自由自在。古今の作曲家たちの創作意欲を刺激するに十分な材料がここにそろっている。

そのためもあってか、「室内楽」に分類される作品の数は、クラシックのジャンルの中で最大級。ほとんどすべての作曲家が手掛けたジャンルだといっても過言ではない。代表的な編成としては、デュオ(ニ重奏)、トリオ(三重奏)、クァルテット(四重奏)、クインテット(五重奏)、ゼクテット(六重奏)、ゼプテット(七重奏)、オクテット(八重奏)などなど、さらにはノネット(九重奏)やデクテット(十重奏)なんてものまで存在する。

まさに作曲家の発想力次第で何でもあり。そしてその内訳となる楽器編成がバラエティに富んでいるのも「室内楽」の面白さだ。たとえばトリオを例に挙げてみると、ピアノトリオ(ピアノ、バイオリン、チェロ)や、弦楽トリオ(バイオリン、ビオラ、チェロ)のほか、クラリネットトリオ(クラリネット、バイオリン、チェロ)などが存在する。

ちなみに同じピアノトリオでもジャズの世界では、ピアノ、ドラムス、コントラバスの組み合わせがスタンダードになるのも押さえておきたいポイントだ。

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