ファミレス御三家、デニーズも復活ののろし ロイホに続き“高品質”追求に舵切る
大久保社長は就任早々、まず社員に3つのことを話した。今までとは違うレベルで、基本を徹底すること、商品力を抜本的に強化すること、そして不振店の閉鎖をやめ中期的な成長を目指すこと。
特にあいさつなどQSC(注:クオリティー、サービス、クレンリネスの頭文字で飲食店の基本姿勢)の徹底は、大久保社長がこれまで経営者として携わってきたどの企業でも、最初に取り組んできたことだという。
ファミレス御三家と呼ばれるだけあって「デニーズの(QSCの)レベルは決して低くなかった」と大久保社長は振り返る。しかし、市場縮小が続く外食業界では、従来と同じ路線では来店客数を増やすことはできない。「あいさつなど基本を徹底することで、お客様にファンになってもらい、リピーターになってもらうことが大事だ」(同)と判断したのだ。
「何だこれ」と驚いてもらえるメニューを開発
この間、商品政策も見直している。まずドリンクを含めたメニューの数は、全部で10%近くを絞り込んで業務を簡素化した。
外食業界ではジャガイモやキャベツ、ほうれん草といった調理や管理の容易な野菜ばかりがメニューとして増えてしまいがちだが、「健康志向は時代の流れ」(大久保社長)という考え方のもと、デニーズではパプリカやベビーリーフなど彩り鮮やかな野菜を増やしてきた。
7月中旬から販売を開始した、冒頭のオリービーポークは、大久保社長が就任当初から開発に取り組んできたメニューのひとつだ。そのほか、チリ産サーモンを使ったサーモンハンバーグなど、他社にはないメニューについても、原材料の調達までさかのぼって開発を進めている。
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