ファミレス御三家、デニーズも復活ののろし ロイホに続き“高品質”追求に舵切る

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デニーズの歴史は、イトーヨーカ堂が1973年に米国のカフェレストラン「デニーズ」とライセンス契約を結び、デニーズジャパンを設立したときに遡る。翌74年4月に1号店をイトーヨーカドー上大岡店(神奈川県)内にオープン。すかいらーくの1号店が1970年、ロイヤルホストの1号店が71年だったこともあり、デニーズを含めた3社はいつしか「ファミレス御三家」と呼ばれるようになった。

デニーズは1980年に100店舗を達成し、82年に東証2部へ上場。1984年には米国デニーズ社から商標権を買い取り、日本独自の進化を遂げる。

2005年にセブン&アイHDが誕生してからは、グループ内での外食企業再編が始動。07年に現在のセブン&アイFSが設立され、デニーズジャパンのほか、ファミール(ヨーカ堂内で「ファミール」等を展開)、ヨーク物産(同「ポッポ」を展開)を同年3月に子会社化、同年9月には吸収合併した。

セブン&アイFSの設立時にトップに就任したのは、イトーヨーカ堂の元専務で中国事業を立ち上げた、塙昭彦(はなわ・あきひこ)氏だ。デニーズの店舗数は2005年2月期に582店を数えたが、従来の中心顧客だった家族客については少子化や個食化の流れが進み、業界も低価格志向に走るなか、米国風の店舗作りやメニュー政策にこだわったデニーズは迷走した。

塙社長時代には100店超を閉鎖し、その後も大胆な店舗リストラを進め、前13年2月期には380店程度と、セブン&アイFS設立時に比べ200店近く縮小した。

大久保社長就任で、反転攻勢へ踏み出す

デニーズのリストラが一巡した2011年、セブン&アイFSのトップに就任したのが、小売業の経営者として豊富な実績を持つ大久保・現社長だ。大久保社長は1979年にイトーヨーカ堂へ入社した後、98年にファーストリテイリング、2002年に良品計画の経営改革に携わり、03年には九州にあるドラッグストアのドラックイレブン、07年からは高級スーパーマーケットの成城石井のトップを務めた。

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