乗り物で並び、食べ物や飲み物を買うのに並び、うかつにもキャラクターと写真を撮るのに、また並び……。
夢の国までの「往復にかかる時間」と滞在時間中の「何かと長い待ち時間」が、ファンの満足度を下げる原因のひとつになっていると言って差し支えないだろう。
キャスト次第で、サービスにバラツキ
最後に、もうひとつディズニーシーでバレてしまうのが、「ディズニーシー側のフレキシビリティのないマニュアル対応」を甘受する目線の低さだ。
前回のディズニーランドの記事では「ハンバーグセットでご飯を抜いてほしい」と言ったのに対応してもらえなかったことを嘆いたが、ディズニーシーでは、8月の暑い日で「アイスコーヒー」を注文したかったのに「ホットコーヒーしかない」と門前払いを食らわされてしまった。
結局、氷の入ったコップをもらって、それにホットコーヒーを注いでアイスコーヒーを確保したが、このように「お客のニーズに、もう少しフレキシブルな対応をしたらどうなの?」とお怒りの方は、このグローバルエリートだけではあるまい。
極め付きが「ビールの泡をなくしてほしい」とお願いしたときのことである。
最初は「泡なし」でグラス満タンまで注がれて、若干得した気分になった、意外にセコい、グローバルエリート。ところが、隣のキャストさんが「指導」して、目の前で泡を排除した高さになるまでビールを捨てたのだ。
「神は細部に宿る」というが、サービス業の神髄は、このようなビールの泡の扱いに宿っているものである。
よくディズニー本で、子どもたちを感動させた心のこもったサービスの話が出てくるが、「来園者が"夢見るおじさん"」なら、感動させなくてもいいのだろうか。
別に超一流のサービスは求めないが、あまりになにかとマニュアル的で、"夢見るおじさん"の気持ちにフレキシブルに配慮できているとは、とうてい思えないのである。
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