テレビ局は外部の血をもっと入れよ
私が不思議なのは、テレビ局は他業界との競争が激化する中で危機感を募らせて色々改革をしていなければならないのに、テレビ局側の経営に変化の兆しが見えないことである。
SNSやネットなどテレビ以外のメディアに収入と人材を獲られていく中で、どれだけの緊張感と危機感をもって経営改革を行っているのか、甚だ疑問だ。本来ならば株価が低下して敵対的買収を海外メディア会社からくらいそうなものだが、放送業界への自由な参入は厳しく制限されており、また株もグループ会社ががっちり握ってくれているので通常の業界の経営改革の常識が、テレビ業界には通用しないのかもしれない。
やり方が乱暴だったので例えは悪いが、本来なら昔ライブドアがフジサンケイグループの会社の株を取得しようとしたときや、楽天がTBSとの連携を模索したときなど、テレビ側は他メディアから侵食されるだけでなく、協力体制を築くことで業界の活性化を図る動きがあってもよかったはずだが、テレビ局は極めて保守的であらゆる変化の波に抵抗しているようにも見える。
それが結果的に、数十年間にわたる同じテレビ局による、同じような芸能事務所を相手にした、代わり映えのない芸能人の起用という“重層的な不変構造”に繋がっている。
ハードウェアであるテレビ自体はサムスンやLGとのグローバル競争で毎年品質が劇的に向上しており、10年前、20年前のテレビに比べて隔世の感があるが、肝心のコンテンツである番組の内容は逆に日に日に退化しているように見えるのは非常に皮肉なことである。
最後に:大島さん、ごめんなさい
私は今回このコラムを書くにあたって若干胸が痛かった。今年ランナーを担当された大島さんは大島さんで一生懸命頑張られただろうし、その姿に励まされた人もたくさんいらっしゃるのだろう。また今まで皆報酬をもらってきたのに、なぜ自分の時だけやたらと大々的に批判されなければならないのか、彼女はトレーニング期間に仕事で金儲けにつかう時間をこの番組での走りに費やしたのだから、報酬をもらわないとこの手の仕事が持続可能でなくなる、と思う方もいらっしゃるだろう。そして障害者の方を取材し、その番組を作られた方の中には純粋な気持ちで全力で応援されていた方もいらっしゃることだろう。
しかも、外野から“偽善だ”と批判する人に限って批判だけに終始し、100円すら寄付せずに文句ばかり言っているのが大半なのだから、偽善だろうが何だろうが、何もしないよりましではないか、と。
ただし、本コラムの主旨は “愛は地球を救う”と掲げて24時間も連続で年に一度テレビ番組をつくる以上、もっと目線を高く、志の高い番組構成ができるはずだというのがポイントだ。
あくまで24時間テレビの改善の余地を建設的に議論するということが目的であり、決して24時間テレビの廃止を求めるものでは決してないことを最後に強調しておきたい。今後の日テレの皆様の奮闘に、世界の彼方から、心より期待しております。
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