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ガンダム生みの親が今のアニメに感じる疑問 「ストーリーのゲーム化」に異議あり

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実際、オウム真理教事件のとき、ガンダムとオウムとを重ね合わせて論じられたこともあった。

まったく違う。覚醒者もへったくれもない、人はどこまで行っても人だ。広い世界で小さな人間がどう生きているかというリアルな物語だったのに、いつのまにか飛び抜けた人間、特別な人間の物語に変わっていたのだ。選民思想の物語、何とも危うい。

そこで私は自分の理解するガンダムを世に提示しようと決心した。もちろん原作者・監督の富野由悠季氏には許可を取った。余計な部分を削り、必要なものを付け足すと話した。彼は一言「見させてもらうよ」だけだったな。

変えられるものか、世界は魔物なんだよ

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──最近のアニメシリーズにもその“危うさ”を感じるときがありますか。

最近のアニメはますますゲームに支配されていっている。ストーリーのゲーム化、という言い方を僕はしている。ゲームの場合、プレーヤーは絶対者だ。世界はプレーヤー中心に回っている。死んでしまってもやり直せる。プレーヤーはどんどんレベルが上がり、より高いステージに登って、最後は神に近づく。美女も宝も全部ゲットだ、と。それは僕の理解する「ガンダム世界」とは正反対だ。

残念ながら最近のガンダムもゲーム化しているように思う。ガンダムと銘打って、ゲーム化した別のガンダムが普及している。たかが小僧っ子が、俺が世界の中心だと言わんばかりに戦争を語り、世界を変えると言い張る。変えられるものか、世界は魔物なんだよ。

──テロとナショナリズムが蔓延する現代、アニメ作家はどういう世界認識を持つべきですか。

社会主義がダメになった後、しばらくは資本主義派が増長してグローバリズム万歳でやってきた。でも今は米トランプ政権が台頭し、反EU(欧州連合)の風が吹いている。排外主義はけしからん、というけど、グローバリズムもダメだからトランプが出てきた。結局、資本主義もまた正しくはないが、それに代わる社会制度もない。とても賛成できないが「悲しいけどグローバリズムしかないよね」という認識を持つことだと思う。

共同著者:斉藤光政(さいとう みつまさ)/東奥日報編集局次長。1959年生まれ。著書に『偽書「東日流外三郡誌」事件』など

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