新ホテル続々進出、「泊まれる銀座」へ大変貌 2020年に向け、銀座がホテル開発の最前線に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――「ライフスタイルホテル」とはどういったものか

これまでの高級ホテルは客室の面積は何平方メートルで、シャワーや洗面台の仕様がどうなっているかというハード主義だった。ライフスタイルホテルとは、人々がその空間でどんな思いで、どんなことを感じて、何をしてもらいたいか。そういった五感で感じるものを突き詰めている。これまでハードが主役だったものが、人間が主役のホテルになると言える。

ホテル業界でも"繋がる場所"が重要に

――「エディション」はどういったホテルなのか?

左が「東京エディション銀座」、右の東京ワールドゲート内、31階〜36階に「東京エディション虎ノ門」が入居する。(いずれも完成予想図、森トラスト提供)

今回は「ソーシャライジング系」のブランドを持ってくることが目的。米ニューヨークに行くと、そうしたホテルが数多くある。ロビーは宿泊者のためだけでなく、ラウンジとしてパソコンの作業に利用してもいいし、もちろんカフェスペースでコーヒーやシャンパンを飲んでもいい。

SNSでつながっていても、リアルで集まって情報交換をしたり、そこに行って人に会うことで、インスピレーションを得られるのがソーシャライジング。そうしたトレンドを取り入れているホテルであり、そのうえ高級ホテルであるというところが「エディション」の強みだ。

「エディション」の開発に関わっているイアン・シュレーガー氏は1980年代にブティックホテルを始めた人物。宿泊客のためだけではなく、近くに住んでいる人や働いている人も集まれるホテルを開発した。周りも栄えてくるので街全体がよくなる。「ホテルはもっと、こうあるべきなんだ」というインテリアや利用のされ方を提案している。

それをいろいろな人たちが、30〜40年かけてブティックホテルやデザイナーズホテルとして取り込んでいった。

一方のマリオット・インターナショナルは2019年までの3年間で、14時間に1軒の新規ホテルを開業すると言っている。ある意味で画一化を進めるグローバルチェーンだ。イアン氏というオリジナルを作った人とマリオットが組むことで、ライフスタイルホテルをザ・リッツ・カールトンのような5つ星の高級ホテルに変換していく。それが面白い。

――銀座のホテルマーケットをどう見るか。

銀座に限らず、(東京には)低価格の宿泊特化型ホテルが多すぎる。それはそれで宿泊施設の多様性かもしれないが、やはり観光産業の成長を目指すなら、富裕層の需要も押さえるべき。銀座にはあれだけ多くの高級ブランド店が並んでいるにもかかわらず、そういうものを好んで買う人が、泊まりたいと思うレベルのホテルがない。

そういった顧客層にも、新たなライフスタイルを提案し、かつ高級であればマッチしてくる。それが結果的に銀座全体の名声を上げるはずだ。

次ページ日本のホテルの問題点は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事