グローバルエリートの、コラムニストとしての工夫
さて、昨年末以来、この「東洋経済オンライン」のリニューアル後の大躍進を牽引してきた「グローバルエリートは見た!」であるが……と思っていたのだが、佐々木編集長の“なぜ東洋経済オンラインは4カ月でビジネス誌系サイトNo.1になれた?”のインタビューで、グローバルエリートのコラムが一切言及されておらず、人知れずすねていた私なのだが、実はそれなりにビジネスのことを考えてコラムを書いている。
そもそもオンラインジャーナルのビジネスモデルを考えれば、企業に広告を出してもらえるようアクセスを増やすべきだが(無料に慣れたユーザーに、今更、課金モデルは厳しいと思う)、単に誰でもいいからアクセスを増やせばいい、というわけではない。
たとえば国内MBAに行きたい人はどんな記事を読みたいか、とか、不動産投資に興味ある人は何を書けば読みに来るか、とか、広告主のニーズを意識して書いてみたこともある。また富裕層で資産運用に興味がある人は何を読みたいだろう、とか、新規顧客獲得を支援すべく旅行業界向けに旅行ネタ、また結婚関連ビジネスのために恋愛ネタとか、一応、考えてコラムのポートフォリオを組んできたのだ。
なお東洋経済は“ジャーナリズム魂”が強いのを尊敬しているのだが、私が企業の批判をしたり、編集長の友人にあたる人の企業を批判しても「ビジネスや人間関係のために、筆を緩めないでください」と私に本当に言ってくる。
この点、取材対象の企業の経営陣とうまくやりつつ、時には厳しく売り推奨をしなければならない投資のアナリストと共通するところもあるのだが、チームスピリットの強い私はこのように「ついでにうちの編集長はこんなええこと言ってたで」とコラムに書くことで、編集部の皆さんにもヨイショをくらわせることを怠らない。
ちなみに基本的にコラムは1時間くらいでばばーっと書くのだが(キーボードに指を置いたら、指が勝手に文章を紡いでいくのには自分でも驚く)、あとで読み直して納得できなければ時には3時間、4時間費やして見直すこともある。
句読点や語尾の変更、タイトルや小見出しも何度も書き換えるし、同じ意味でも語感が悪ければ改行したり句読点を入れたり単語を変えたり、と細かいこだわりも多く、それなりにグローバルエリートも苦労しているのだ。
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