中学「集団LINEいじめ」に奮起した父の実話 男女24人の陰湿なやり口、学校の対応は…
卒業式や合唱コンクールの打ち上げに、茉奈を省いておきながら、同級生らは茉奈のLINEタイムラインに、《超楽しい》と打ち上げ画像を流した。ディズニーランドの卒業旅行のLINE画像も、茉奈のスマホにどんどん流れてくる。
学には確信があった。茉奈には見えない形で、茉奈を中傷している『裏チャット』が必ずあるはずだと。
茉奈の友人で1人、信用できる子がいた。結花(仮名)だ。学はLINEで《いじめについて教えてほしい》とメッセージを送った。学はこれまで、自宅に遊びに来る茉奈の友人には、LINEでつながるように意識してきた。
LINEを勉強し、茉奈にスマホを与える際にも条件をつけた。
「パパとの間で、ブロックやタイムライン非公開にするならスマホを持たせない」
結花から画像が送られてきた。画面をキャプチャー機能で写真に撮り、送信してくれたのだ。まず、2人の男子生徒のツイッター画像。居酒屋で数人がピースをしている。
《合唱コン、お疲れさまでした〜。打ち上げはめっちゃ最高でした。それに打ち上げに、13番来なくてめちゃ最高だったー!》
別の画像は《打ち上げなう》の後、参加者全員の名前を列挙、最後にこうだ。
《13番はいなーい!》
13番——、それは茉奈の出席番号だ。いじめの決定的証拠だった。
「はあ?」という間延びした反応
学はさらに餌を撒く。茉奈の"親友"、香奈(仮名)が見ることを想定し、自分のLINEに受け取った画像をアップした。
《ちょっとちょっと、茉奈ぱぱのタイムライン》《ばれてるよ》〈笑〉《かわいいね》《完璧かほごですね》
実は、彼らは文集の調査で学校に呼び出されていた。
《呼ばれている人、マジなお願い。先生の話は真面目に聞いとけよ。あと、くつ事件のことは黙っとけよ》
これで全部がつながった。担任から電話があった。
「文集委員を呼んで聞いたのですが、男子、女子とも関わっていないということです。ただ漏れてしまったということです」
学校任せでは、いじめは解決しない。これでは、子どもが死ぬ。深く傷ついた茉奈は両親に気づかれないように、お風呂で泣いていた。