中学「集団LINEいじめ」に奮起した父の実話 男女24人の陰湿なやり口、学校の対応は…
理恵は担任に、証拠をつかんだ以上、徹底的に追及する旨を伝えた。
「はあ?」という間延びした反応に、学校側との温度差を感じた夫妻は、教育委員会に乗り込んだ。
「これは、いじめでしょう?」
事務方のトップはいじめを認めた。
「学校にきちんと対応してもらえないのなら、私たちは報道を呼んで、世間様に裁いてもらいます」
10秒もかからずに、いじめの全容が明らかに
中学では手のひらを返したように、校長が佐伯夫妻を待っていた。間違いなく、報道という言葉が効いたのだ。
「要は、文集でしょう? 文集は作り直しますから」
学校はこの期に及んでも、穏便にすませたいのだ。
「そんな次元の話じゃないでしょう? これは、加害者の親御さんともきちんと話をさせてもらわないといけない問題です」
LINEとツイッターの画像を校長に見せ、名前が出ている全員の事情聴取と、保護者会開催を要求した。
証拠があるのに、学校側の事情聴取は難航した。
「全員に話を聞いていますが、その事実はないんです」
結花が送るLINE画像から、聴取を終えた子と裏工作を始めた様子がわかる。教師は舐められていた。
夫妻は聴取の場に同席するため、学校に向かった。次は「13番はいなーい!」とツイートした男子の番だ。学は生徒の前に歩み寄る。
「いい加減にしろ。俺は茉奈の父親として言いたい。大人をバカにするなよ! 机、やったのは誰だ!」
「○○くんです」
「靴は誰だ!」
「○○くんです」
「先生、メモです!」
10秒もかからずに、いじめの全容が明らかになった。
学校から電話があった。
「茉奈さんへのいじめを確認しました」
クラス32名中、24人が関わっていた。関わっていないのは携帯を持っていない数人だけ。