音楽教室対JASRAC、終わらぬ「著作権バトル」 ヤマハ・河合は一歩も譲らず対決姿勢

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JASRACは6月7日、音楽教室からも徴収できるよう著作権料の規定変更を届け出た。文化庁はこれを受理したため、原則として2018年1月から徴収が始まることになる。一方の守る会は6月20日、「音楽教室には演奏著作権は及ばない」という判断を求めて東京地方裁判所に提訴した。裁判所の判決が出るまでには3年程度かかる。

著作権料規程の変更に関しては、守る会が利用者代表として協議を申し入れることができる。申し入れない場合、音楽教室の著作権料の支払いが来年1月から自動的に始まる。

協議をしてもしなくても、立場が苦しい

音楽教室は子ども向けだけでなく、近年は大人の間でも受講が広まっている(写真は2010年、撮影:今 祥雄)

だが、簡単には協議申し入れに踏み切れない。守る会は「そもそも音楽教室に著作権は発生しない」という立場であるのに対し、協議は著作権料の金額を話し合うための仕組みだからだ。申し入れれば、音楽教室に著作権の支払い義務があると認めることになりかねない。

今回の署名提出と同時に、守る会は文化庁に対する要望も提出している。もし協議で話がまとまらない場合、文化庁長官による裁定で著作権料の実施日を決定することになるが、その裁定手続きを「司法判断が確定するまで保留してほしい」という内容だ。文化庁の裁定中は、著作権料を徴収できないためだ。

この要望は、あくまでも守る会が協議を申し入れることが前提だ。協議に入っても、入らなくても、守る会の立場は苦しい。

今後、守る会はどう動くのか。今回は協議を申し入れるかどうか明言せず、著作権料の支払い義務が発生した場合の対応も「弁護士と協議して決める」と話すにとどめた。

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