音楽教室対JASRAC、終わらぬ「著作権バトル」 ヤマハ・河合は一歩も譲らず対決姿勢
ヤマハ音楽振興会の功刀渉理事は、「一方で司法判断を仰いでいる時に、行政手続きがさらさら流れるような仕組みになっていて、中断の手続きが一切定められていないのは法律の不備ではないか」と嘆く。
「音楽振興のための活動だ」。守る会とJASRACは双方とも、そう主張する。
著作権料は誰のためのものか
JASRACが文化庁に著作権料規程の変更を届け出た際、作曲家でもある渡辺俊幸理事は職業の不安定性を説いた。
「歌を作曲した場合、作曲時点では無収入だ。CDが売れたり配信でダウンロードされたりしたときに入ってくるのが著作権料。作曲家に入る著作権料は、1000円のシングルCD1枚で5円強、iTunesで1人がダウンロードすると1円だ。極端な例だが、農家に対して『子供の教育だから学校給食(の食材)は無料でください』とは言わないだろう」
一方の守る会の側も、「JASRACは学校からはおカネを取らないが、民間からは取ると言っている。音楽教員になるためには音楽大学や教育学部の音楽専攻に入らなければならないが、民間の音楽教育を受けた人でないと入学は難しい。民間教育がなければ、学校教育もままならないのではないか」(全日本ピアノ指導者協会の福田成康専務理事)と話す。
今後の焦点は、守る会が文化庁に協議を申し入れるかどうか。司法の最終決着には長い時間がかかる。守る会、JASRACともに譲らない中で、音楽文化にとって最良の着地点を見いだせるのか。道のりはあまりに長い。
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